サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
松木安太郎の異変“イラン戦解説で消えた”ユーモア…日本代表“テレビ放送”でまさかの連敗、サッカー不人気時代を知る男「焦りの正体」
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byJIJI PRESS
posted2024/02/05 17:00
テレビ朝日系で放送されたアジアカップのイラン戦で解説を務めた松木安太郎氏
<後半>
18分頃 イラン2点目かと思いきや、判定持ち越しに。
松木:オフサイド? これギリギリだけど、どうなの?
18分30秒頃 オフサイド判定
松木:よーし、よしよし。いや~、ギリギリだったな。いや、これがあるっていうのはさ、このやり方どうなのって思っちゃうよな。
アナ:オフサイドディレイでね、なかなか。
松木:あそこでもう笛吹いてほしいよね、あんなもう。
内田:相当微妙でしたよ、今の。ミリ単位じゃないかな~。
22分06秒 イランが日本のPA付近でチャンス
松木:オフサイドだろ! オフサイドだろ!
アナ:(イランのFW)アズムンだ! (GK鈴木彩艶が)止めた! オフサイドフラッグここで上がります。
松木:オフサイドだろ! オフサイドだよ!
アナ:ここで上がります。
松木:そんなもんオフサイドだろ!
アナ:オフサイドディレイです。
41分07秒 イランが日本のPA付近でチャンス
松木:オフサイドだろ。
アナ:フラッグ上がりません。(GK)鈴木彩艶出る!
松木:あっ!!!
41分25秒 VTRを見て
松木:オフサイドだろ。オフサイドだろ。
いずれも、日本贔屓の絶叫だった。これ自体はいつもと変わらない。しかし、同点に追いつかれた後半10分以降、松木氏には珍しく遊び心がなく、抗議ばかりを繰り返していたから、いつもと比べて共感を得づらかったのかもしれない。
我を忘れた「そんなもんオフサイドだろ!」
普段の松木氏の喋りは緩急自在のため、聞き入ってしまう。怒りながらも意外な言葉をチョイスするからだ。象徴的な例は、2011年のアジア杯の1次リーグ・シリア戦で言い放った「ふざけたロスタイム」だろう。全く結びつかない単語がドッキングし、その喋りの振り幅が共感を呼んだ。ただ、イラン戦の後半に限れば、緊張ばかりで緩和がなかった。
※注:興奮状態の松木氏は選手たちに「落ち着いて行った方がいいな」(後半27分)、「最初のトラップがみんな、なんか落ち着かなくなってきたな」(後半30分)、「ちょっと落ち着きがないな!」(後半38分)と助言。視聴者に突っ込みどころは残していた。
一本調子の松木氏に対し、相棒の内田氏は絶妙なフォローをしていた。「そんなもんオフサイドだろ!」の直後、現場の状況をこう伝えた。