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「ザイオンのミスは失点に結びついた。でも…」“日本代表に詳しすぎブラジル人記者”が斬るアジア杯「ミトマが戻ればさらに強力だ」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byMasashi Hara/Getty Images
posted2024/01/27 11:02
鈴木彩艶のプレーなどについて、名GKを輩出した王国ブラジルの“日本通記者”はどう見ている?
「彼のいくつかのミスが失点に結びついているのは否定できないと思う。でも、インドネシア戦で堂安へピンポイントでロングフィードを通したように、良いプレーもしている」
――GKには、鈴木以外に前川黛也と野澤大志ブランドンが招集されています。
「この3人の中では、森保一監督が鈴木を起用するのは理解できる。日本にとっての問題は、シュミット・ダニエルが長いことクラブで試合に出ておらず(注:シント・トロイデンで鈴木にポジションを奪われ、昨年末にヘントへ移籍)、大迫敬介が故障していること。中村航輔も故障から復帰したばかりだからね」
エンドウ、モリタが盤石でサノも。そしてミトマが…
――両サイドバックについては?
「左は、中山が戻ってきて安定した。伊藤洋輝は、クラブ(シュトゥットガルト)では良いプレーをしているのに、なぜか代表では実力を発揮できていない。右は、インドネシア戦では毎熊がまずまずだったけれど、私は総合力で菅原由勢が上だと思っている」
――その他の守備陣は?
「今さら言うまでもないが、冨安は守備が安定しており、パス供給能力も高い。板倉滉、谷口彰悟も安心して見ていられる。ボランチは、遠藤航と守田英正が盤石で、佐野海舟もいいプレーをしている」
――攻撃陣では?
「インドネシア戦の上田の出来で、ようやくCFに軸ができた。久保、堂安、伊東は持ち味を発揮しつつある。三笘薫が戻ってきたら、さらに強力になる。日本のフットボール史上、これほど優れたアタッカーがこれほど大勢いたことはないと思う」
――この大会の今後の展望は?
「ベトナム戦とイラク戦では反省すべき点が多々あったが、インドネシア戦では攻撃陣が本来の力を発揮した。GSを2位で通過したのは誤算だったが、優勝するだけの力は十分に備えている。これからの試合が楽しみだ」
ワシントンも上田の活躍に喜んでいる
GS3試合で上田綺世がチーム最多、大会得点王争いでも2位タイの3得点。このような彼の活躍を“予言”していた男がいる。元ブラジル代表CFで、2005年から07年にかけて東京ヴェルディと浦和レッズでもゴールを量産したワシントンだ。
今月初めにインタビューした際、「現在の日本代表には絶対的なCFがいません」とこぼしたら、「私は、上田に期待している。身体がしっかりしており、技術レベルが高いし、何よりシュートをミスしても挫けないメンタルの強さがある」と語っていた。
「インドネシア戦の彼の活躍を見た。素晴らしかった。今後の試合でも点を取り続け、日本を優勝に導いてもらいたい」とエールを送っている。