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山本由伸25歳=12年465億円、上沢直之29歳は最大で年俸約5億円…“メジャー契約金格差”のナゼ「大谷翔平の打撃+有原・千賀の成績」にヒント?
posted2024/01/20 11:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki/JIJI PRESS
今オフのMLBのストーブリーグの主役は、掛け値なしに「日本人投手」だった。
エンゼルスの大谷翔平が2023年12月11日、10年総額7億ドル(約1015億円)で、ドジャースに移籍。ポスティングでの移籍を申請していたオリックスの山本由伸も12月21日、12年総額3億2500万ドル(約465億円)でドジャースに入団した。
同じくポスティング移籍を申請したDeNAの今永昇太は2024年1月11日、4年総額5300万ドル(約77億円)、球団がオプションを行使すれば5年総額8000万ドル(約116億円)になる契約をカブスと結んだ。
ポスティングフィーも由伸72億円、上沢は最大7490万円
そして、山本、今永と同じくポスティングでの移籍を申請していた日本ハムの上沢直之は、申請期限の1月11日にレイズとマイナー契約を結んだことが発表された。上沢は2月に始まるスプリングキャンプに招待選手(NRI=Non Roster Invitee)として参加し、好成績を上げてメジャー昇格を目指すことになる。上沢の契約は「メジャー契約に切り替えることを前提とした」スプリット契約である。以下、各金額をまとめると……。
契約金:2万5000ドル(約363万円)。
基本年俸:メジャー昇格すれば250万ドル(約3億6300万円)、マイナーなら22万5000ドル(約3260万円)。
さらに登板イニング数に応じて80~160イニングまで10イニングごとに10万ドル(約1450万円)、最大で90万ドル(約1億3100万円)の出来高が加算されるという。全て合わせれば最大で340万ドル(約4億9300万円)となる。
ポスティングで選手が移籍すると、移籍元のNPB球団にはポスティングフィーが支払われる。3人の金額は以下の通り。
・山本由伸/オリックス:5062万5000ドル(約71億8875万円)
・今永昇太/DeNA:982万5000ドル(約14億2800万円)
・上沢直之/日本ハム:マイナー契約だった場合=6250ドル(約90万6000円)、メジャー契約になった場合=最大51万6250ドル(約7490万円)
山本由伸、今永昇太、上沢直之は、いずれもNPBで昨年、優秀な成績を残した先発投手だ。しかし契約総額で見ると、今永はフルコミッションで山本の約4分の1、上沢はメジャー契約を結んだとしても山本の90分の1あまり。なぜここまでの大きな差になってしまうのか。
由伸・今永・上沢の23年成績を比較してみると
3人の昨季の成績を改めて見てみよう。カッコ内はリーグ内順位。