箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
スピード練習ナシ、距離もペースも自分次第、コースは鹿の出る公園…高校駅伝で大躍進《京大合格約30人》京都の公立進学校「超自律型練習法」
text by
山崎ダイDai Yamazaki
photograph byYuki Suenaga
posted2024/01/21 11:01
府立の中高一貫進学校である洛北高。時間の制約もあり、そのトレーニングは独自色が強い
「逆に言うと集団走で走ったり、スピードの切り替えが求められることが多いトラックレースへの苦手意識をもっている選手は多いですね。その辺は今後の課題でもあります」
選手たちが語る「洛北高の指導スタイル」
春から専大に進学し、「箱根駅伝を目指す」という坂元は洛北での3年間をこう振り返る。
「難波先生からは1年目からずっと『自分たちで考えなさい』ということを繰り返し言われ続けてきました。それもあって、部員1人1人が、自分がどうやって成長するのかについて考える力は高いと思います。競技の面でもそうなんですけど、それ以外の日常生活の部分も含めて『どういう過程を経たら、どういう結果になるのか』という先のところまで考えるようになった気がします」
チームのエースで、順大に進学する三宅もこう言う。
「結果的に全国大会には行けなかったので、悔しさが残る3年間でした。ただ、難波先生からも『自分で考えることが一番大事』と教わってきたので、その教えは自分の1番の力になると思っています。特に大学へ行くと、高校よりも自由な時間が増える分、ほんまに高校時代にこういう考え方に慣れることができたのは良かったです」
来季は坂元、三宅ら主力だった3年生は抜けるが「14分台ランナーの数で言えば2年生の方が多いんですよ」と難波は嬉しそうに笑う。
その2年生の主力で、洛北附属中学からの内部進学組でもある和田泰直は、箱根路を目指す先輩たちとは異なる道を歩もうと考えているという。
「自分は関西の国立大に進学して、シューズの制作に携わりたいんです。箱根は強い先輩たちが目指してくれているので、そういう頑張っている人の後押しができる仕事がしたいなと。そのひとつがシューズの研究なのかな……と自分の中で思っています」
進学校らしく、現在は名門・京都大学への進学を目指しているそうだ。