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《京大合格約30人》京都の公立進学校が高校駅伝で大躍進のナゼ「授業は7限、スポ薦ナシ、中学の実績ゼロ」でも“選手が伸びるスカウト”とは?

posted2024/01/21 11:00

 
《京大合格約30人》京都の公立進学校が高校駅伝で大躍進のナゼ「授業は7限、スポ薦ナシ、中学の実績ゼロ」でも“選手が伸びるスカウト”とは?<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

昨秋の駅伝シーズン、京都府大会で準優勝、近畿大会でも3位に食い込んだ洛北高校。公立校だが毎年京大合格者を30人近く輩出する進学校だ

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山崎ダイ

山崎ダイDai Yamazaki

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Yuki Suenaga

 昨年の秋、京都の高校駅伝でちょっとした“異変”が起きた。

 京都の高校陸上界の盟主と言えば、他でもない洛南高校である。先日行われた箱根駅伝でも活躍した佐藤圭汰(駒大)や、三浦龍司(順大)らを輩出し、府大会では9連覇を達成。昨年12月の都大路でも7位入賞を果たすなど、今も変わらない強さを誇っている。

 ところがそんな洛南が昨年は府大会で冷や汗をかくシーンがあった。

 4区で先行を許し、アンカー区間に入っても2位と8秒差という僅差のレース。最後の最後でなんとか振り切ったものの、絶対王者の意外な苦戦は関係者の間で小さな話題を呼んでいた。

 さらに驚かされたのが、その相手が府立の中高一貫校である洛北高校だったことだ。

 洛北といえば、毎年京大に30名近い合格者を出し、関西圏の名門国立大である阪大、神大まで含めれば50人を超える合格者を出す公立の“超”進学校である。当然ながら純粋なスポーツ推薦の制度はない。

 そんな学校が突如躍進を見せ、その後の近畿高校駅伝でも他県の代表校を押し退け3位に食い込んだ。一体そこにはどんな“魔法”があったのだろうか?(全3回の1回目/続きを読む)

4年前から部を指導するのは「元箱根ランナー」

「やっぱり一番は3年生の存在でしょうね。彼らはとにかく京都で勝ちたい、全国で活躍したいという想いがすごくありましたから」

 こう語るのは、4年前から部を指導する難波祐樹だ。

 難波は洛南高校から順天堂大学へ進学し、4年連続で箱根駅伝を走ったランナーだ。“初代・山の神”こと今井正人(現トヨタ自動車九州)のひとつ上の世代にあたる。大学卒業後は実業団のJALグランドサービスを経て、大分東明高のコーチに。その後、京都府の高校教員採用試験に合格し、地元へと戻ってきた。

「京都に戻って、最初の高校で5年間指導した後、2020年に洛北高に赴任してきました。ちょうど今の3年生たちが、私が声をかけた中学生の最初の代でしたから。その彼らがここまで成長してくれたというのは、本当に感謝しています」

 前述のように、洛北高は京都の府立高校である。

 1学年の生徒数は280名ほどで、うち80名は附属中学校からの内部進学。いわゆるスポーツ推薦制度はないため、難波が「声をかけた」と言っても実質は「もし興味があれば受験してください」と言うところまでだ。無論、府外の選手はいない。

【次ページ】 授業は7限制で4時半まで→7時には完全撤収

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