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箱根駅伝は“関西で不人気”は本当?「原晋(青学大)の登場で変わった」「再放送でも“格付け”は人気」消えた東京への対抗心…関西学生の本音
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byNanae Suzuki
posted2024/01/03 11:04
関西でも箱根駅伝が人気上昇中…背景に原晋監督の存在があった
【2023年1月2日月曜 往路/関西地区の主な番組と視聴率】
17.5% 箱根駅伝(7時50分~14時5分/読売テレビ)
9.0% 芸能人格付けチェック!2022お正月SP(7時30分~11時45分/朝日放送)
7.4% 新春!オールよしもと初笑いスペシャル(12時~14時30分/朝日放送)
6.0% 痛快!明石家電視台正月スペシャル(13時30分~15時/毎日放送)
5.1% イッキ見!ドラマ・TOKYO MER・走る緊急救命室・最終回(12時15分~13時30分/毎日放送)
4.3% ウラマヨ!人気芸能人マル秘ウラ素顔続々!お正月2時間SP!(13時~15時/関西テレビ)
4.0% イッキ見!ドラマ・TOKYO MER・走る緊急救命室・最終回(6時~11時50分/毎日放送)
3.5% 有吉くんの正直さんぽ新春SP・in南紀白浜(9時50分~11時50分/関西テレビ)
3.5% 事前アンケートは全部ブレーン芸人が考えました(12時~13時/関西テレビ)
3.0% 古畑任三郎ファイナル・ラスト・ダンス(7時50分~9時50分/関西テレビ)
2.4% 大学ラグビー選手権・京都産業×早稲田(12時15分~14時13分/NHK)
2.3% 洋上の激闘!巨大マグロ戦争(10時~12時30分/テレビ大阪)
関東と比べて再放送は少ないが、特筆すべきは『芸能人格付けチェック』だろう。ABCは元日に新作(24.6%/18時~21時)をオンエアし、2日に箱根駅伝の裏番組として前年の正月スペシャルを再放送。それでも9.0%と結果を残している。
「関西人は権威を壊すことに興味を持っています。ですから、芸能人が高級な食材を判別できないと『ナンボのもんじゃい!』と思う。逆に言えば、連勝を続けるGACKTの存在が高視聴率を保つ要因でもあります。再放送でこの数字は驚異的です」
関西の大学が優勝したら…?
それ以外の裏番組を見ると、かつての2桁常連である『新春!オールよしもと初笑いスペシャル』は7.4%だった。関西地区で相対的に箱根駅伝の視聴率は上がっている。今後、さらに伸びるのか。
「原監督は箱根駅伝の全国化を提唱していますよね。100回記念大会の予選に関西から4校が出場しましたが、本戦には進出できなかった。もし将来、関西の大学が青学や駒沢などと優勝を競り合ったら、関東の視聴率を抜くかもしれない。『東京に負けてたまるか』と思う人が減っているとはいえ、関西の地元愛は他の地域と比べれば、今もとびきり強い。『格付け』の人気が示すように、権威を崩すことにも興味を抱きますからね」
最後に、関西の数字を関東以外とも比べてみよう。主要5地区の23年視聴率は以下になる(地区/往路/復路)。
関東 27.5% 29.6%
関西 17.5% 17.6%
名古屋 21.8% 20.8%
北部九州 21.4% 21.4%
札幌 21.5% 21.3%
近年上がっているとはいえ、関西はこの中で唯一20%を割っている。しかし、さらに調べると関西よりも下の地区、関東よりも上の地区があった――。
〈つづく〉