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ソフトバンクが放出「足のサイズ31…衝撃のロマン砲」に“ある予感”…日本ハムが欲しがった水谷瞬とは何者? 本人が明かす現役ドラフト「当日の電話」
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKotaro Tajiri
posted2023/12/10 06:00
ソフトバンクから日本ハムへの移籍が決まった現役ドラフト当日。球場を後にする水谷瞬
「ホークスを離れるのはやっぱり寂しい。福岡で活躍したかったという気持ちはもちろんあるんで、そこは少し残念な気持ちはあるんですけど、イチ野球選手としては評価していただいて、チャンスをいただいたってことは、個人としてはプラスに捉えていったらいいのかなって思ってます」
万波中正になれるか?
日本ハムの若き大砲といえば万波中正だ。奇しくも同学年で同じ右打ちの外野手だが、スケール感は決して劣らない。万波を開花させたメソッドをもつ日本ハムは、水谷にとって最も適した球団とも言えるだろう。
「去年の現役ドラフトで移籍した大竹さんや細川(成也=中日)さんのように1年目からブレイクみたいな形がもちろん理想ではあるんですが、僕はまだ一軍出場がない選手。まずはスタートラインに立てるように。そして、そのまま波に乗っていけたらいいかなと思ってます」
一方、ソフトバンクが獲得したのは日本ハム・長谷川威展だった。たまたま「交換トレード」の形となったが、21年に金沢学院大学からドラフト6位で入団した24歳左腕は入団2年間で11試合に登板、防御率0.87の成績を残している。さらに今季イースタン・リーグで中継ぎながら8勝(0敗)を挙げて最多勝に輝いた。ソフトバンクは嘉弥真新也を放出したこともあり左のリリーバーが手薄のためチャンスはあるだろう。
出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化するのが現役ドラフトの最大の目的。埋もれていた才能が新天地で大輪の花を咲かせる。そんな幸福な未来が1年後やその先に待っていることを心から期待したい。