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宮里藍を抜く賞金12.8億円、実はバーディー女王…今季優勝ゼロでも“数字”が物語る畑岡奈紗“最強説”「来季こそ悲願のメジャー制覇を」
posted2023/11/24 06:01
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Michael Reaves/Getty Images
米女子ゴルフツアー最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」で、畑岡奈紗は3日目まで首位を堅持したものの、最終日は4バーディー、1ボギーの「69」の通算24アンダーに終わり、2位タイでフィニッシュした。
シード権を左右する「CMEグローブ ポイントランキング」の60位タイまでの選手だけが出場できる予選カットなしのシーズン最終戦。制した選手にはツアー最高額に並ぶ200万ドル(約3億円)の賞金が贈られ、「年間女王」の称号を得られる大会だった。また3億円をゲットすれば1987年の岡本綾子以来となる“賞金女王”になれるチャンスもあっただけに、畑岡にとってはいくつかの称号を逃したことになる。
今季はツアー未勝利。最終戦を逃したことはさぞかし悔やんでいるだろう。だが、早くも“ターゲット”を来季への戦いに切り替えていた。
「今まで課題だった100ヤード以内、ショートゲーム、今週良かったと思います。1月に25歳になりますし、一番頑張らないといけない時期にきているなと思うので、もっと強くなって来年帰ってこられるように、オフもしっかり頑張りたいなと思います」(中継のインタビューより)
その言葉には、確かな手応えを感じる。
今季優勝ゼロも…数字でわかる畑岡の強さ
今季未勝利といったものの、不振に喘いだかといえば決してそうでない。むしろその逆で、優勝争いに加わる最終日最終組でプレーしたのはCMEツアー選手権が今季5度目だった。さらに個人スタッツや成績を見てみれば、“めちゃくちゃ強かった”ことがわかる。
・CMEグローブ ポイントランキングは古江彩佳(10位)に次ぐ12位。賞金ランキングは日本人最高の8位
・バーディー総数342、サブパーホール(バーディー以上のスコアを記録したホール)総数347はどちらもツアー1位の記録
・米女子ツアー生涯獲得賞金で宮里藍を抜いて日本人1位に(855万4845ドル/約12億8000万円)
・全米女子オープンではメジャーで初めて最終日最終組を経験、翌週のエビアン選手権(メジャー)でも同大会自己最高位の3位タイに
さらに補足すると、羅列したメジャー大会は、優勝したアリソン・コープス(米国)やセリーヌ・ブティエ(フランス)といった実力者が畑岡以上に良いプレーをしたことで、つけ入る隙を与えてくれなかった。自滅したわけではなく、世界トップレベルの選手たちと最高峰の舞台で堂々と優勝争いを演じていた。