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米ツアーに挑戦する21歳の河本結に、
先輩・有村智恵が贈ったものとは?
posted2020/01/24 11:50
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Shizuka Minami
「結ちゃん、これ良かったら使ってね」
12月上旬、ある企業のプロアマ戦に出場した河本結は、同じく出場者の有村智恵からあるものを手渡された。
英語の教材だった。
米ツアーでは一時期、外国人ゴルファーのために語学の先生を大会に同行させていたことがある。2013年から約3年半、米ツアーに参戦した有村は、英語上達のためにそのレッスンを受けていた。この教材は、その時に使っていたコピーだった。
21歳の河本は、昨年11月の米女子ゴルフツアーの最終予選会を突破している。誰かから頼まれたわけではなく、主戦場を日本からアメリカに移す11歳年下の後輩を気遣って、有村は教材に励ましのメッセージを添えて渡したのである。
有村「挑戦することは本当にカッコいい」
2選手の生まれや出身校は違うし、今まで特別な接点があったわけではない。だが、有村はさりげなく、しかし、確実に伝えたい思いがあった。
「私が一方的に結ちゃんのゴルフが好きでして、すごい遊び心があるというか、色んな球を打ったり、何にでも挑戦するイメージで。だから『アメリカに行く』って聞いた時も、『挑戦することは本当にカッコいいと思うし、アメリカで大変なことがあるかもしれないけど応援してるよ』と」
メッセージの最後の方には「アメリカツアーにいった選手はみんな味方だから」ということを綴った。
「やっぱり、母国を離れて生活すると、寂しさとか孤独感とか、私自身は(アメリカにいる時に)多少なりとも感じていました。そういう時に、周りに日本の選手がいて、すごく理解し合える仲間なので、今も(畑岡)奈紗ちゃんなど数選手がいますけど『日本にも味方がいるよ』ということを伝えたくて書きました。」