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「着るだけで強くなれる気がする」上田桃子が立ち上げから携わった思い入れのあるゴルフウェアとは?<マスターバニーエディションPRESENTS Vol.6~勝って、魅せる~>
posted2023/11/24 11:00
text by
高村将司Masashi Takamura
photograph by
Yuji Kawata
「勝って、魅せる。」を体現してきた上田はブランドについてどう考えるのか、ブランドは上田をどう見ているのか。この対談から浮かび上がる契約アスリートとブランドとの関係。そして、両者が見つめる先にあるものを探る。
切磋琢磨を続けてきた13年
マスターバニーエディション。ウサギの耳のロゴマークでお馴染み、今やゴルフ界に確たる地位を築いたウェアブランドだ。同ブランドとウェア契約を結ぶのが、上田桃子プロ。兄弟ブランドであるパーリーゲイツとともに、ブランドの顔となっている。
パーリーゲイツの誕生から携わってきた仙座学上席執行役員とブランドを振り返る。
仙座「桃子プロのお父さまが熊本で有名な洋服店を経営されていて、僕も親交がありました。ある日、ファックスが僕のもとに届いたんです。娘がプロになったら、お宅のウェアを着たいと。それが始まりですね」
上田「仙座さんにお会いしたら、背が高くてスタイリッシュでいらした。昔モデルをなさっていたというのもなるほど!と。こういう方のブランドなんだと、ますます憧れが増したんです」
仙座「当時、ブランドはまだパーリーゲイツだけで。僕がたまたまブランドを離れていた時期でしたが、お父さまにはお世話になっていたこともあり、ぜひと」
上田「プロになってみて、憧れのブランドのウェアを着られるのはうれしかったです。自分で着たくなるような華やかでスタイリッシュなブランドは当時、他にはなかったですからね。そういうウェアを着て戦えるのは、非常にモチベーションが上がりました」
仙座「2007年は大活躍でしたよね、賞金女王にもなって。とっても素敵な方と契約できたなと。桃子プロはひときわ輝いて見えましたよ」
上田「パーリーゲイツさまさまです(笑)。地元の熊本じゅうが沸きましたから」
その後、2010年には、「勝って、魅せる。」を掲げてマスターバニーエディションが登場。ブランドの設立には、上田プロの存在が大きかったそうだ。
仙座「当時、華やかでファッショナブルというだけでは、物足りない思いもありましたので、それ以上に、強さや格好良さをウェアで表現していく時代になるだろうと思っていました」
上田「パーリーゲイツのウェアにも満足感がありましたが、着用するなかで、常に私はゴルファー目線での感想を現場の方にもフィードバックしていたんです。ゴルファーとして、パフォーマンスの向上のための機能も求めるようになりました」
仙座「担当者からは、大変だったって聞いていますよ(笑)。でもその黎明期がなかったら、今のマスターバニーエディションはなかった。お互いちょうどいいタイミングで、マスターバニーエディションのような存在を求めていたんですよね。ビジネス的にもユーザーの選択肢が増える点でメリットもありました」
上田「着るだけで強くなれる気がしたんです。当時、“戦闘服”のようなイメージで、というテーマもあって、非常にモチベーションが高まりましたね」