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「初安打がホームラン!」阪神・森下翔太23歳が侍ジャパンでも猛アピール…井端弘和監督も高評価「勝負強さは魅力的、場面を変える力がある」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byGetty Images
posted2023/11/19 14:10
アジアプロ野球チャンピオンシップ第1戦の台湾戦で値千金のホームランを放った森下翔太(23歳)
「バットを短く持つ工夫だけじゃなくて適応力の高さと勝負強さは魅力的だし、台湾戦のホームランのように場面を変える力がある」
井端監督の評価は高い。
「プレミア12」と2026年WBCに向けて
今回の代表チームは24歳以下かプロ入団3年以内の選手を中心に、オーバーエイジ枠の3選手を加えて編成されている。
この中で若い選手が国際試合の経験を積み、次のステップとなるのが来年11月に予定されている「WBSCプレミア12」大会となる。そこでは年齢制限のないフル代表でチームは結成され、そのチームが2026年の第6回WBCのベースとなるはずである、
「僕も若い頃に代表に入らせてもらったんですけど、良かったときもあるし、悪かったときもある。1回や2回の経験では、なかなか今回が良くても、次がいいかと言えばそうではない。むしろ今回悪かった選手にとっては、その次が非常に大事かなと思いますね」
井端監督の言葉である。
野手ではおそらく小園や門脇、森下に牧を加えた4人は、ケガもなく順調に来シーズンを乗り切れば、「プレミア12」にも招集されるだろう。さらには韓国戦でバックスクリーンへの本塁打を放ち、豪州戦では「4番」を任されタイムリー三塁打を放った万波もフル代表に大きく前進しているはずだ。ただ初めてのプロの国際大会で思うようなプレーができなかった選手たちにとって、大事なのはこの上手くいかなかった経験なのだと井端監督は説くのだ。
この経験を活かし、国際試合の難しさを噛み締め、それを糧とできたときに次のフル代表への階段が見えてくる。そこから侍ジャパンの一大目標であるWBC連覇とロサンゼルス五輪での金メダルに向かって動き出すチームに加わることになれるはずなのだ。
そのためのスタートとなる大会が「アジアプロ野球チャンピオンシップ」なのである。