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「初安打がホームラン!」阪神・森下翔太23歳が侍ジャパンでも猛アピール…井端弘和監督も高評価「勝負強さは魅力的、場面を変える力がある」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byGetty Images
posted2023/11/19 14:10
アジアプロ野球チャンピオンシップ第1戦の台湾戦で値千金のホームランを放った森下翔太(23歳)
これまで日本代表の二遊間といえば、長く菊池涼介内野手(広島)と山田哲人内野手(ヤクルト)の二塁と坂本勇人内野手(巨人)の遊撃という時代が続いてきていた。しかし3月のWBCでは菊池と坂本が代表メンバーから外れ、新たに二塁には牧、遊撃には源田壮亮内野手(西武)と中野拓夢内野手(阪神)がメンバー入りして、センターラインを固めることになった。
時代が一つ、動いたわけである。
ただ、それではそのままいけるのかというと、山田は31歳、源田は30歳である。3年後の2026年のWBCはギリギリだ。さらにその2年後の2028年のロサンゼルス五輪を見据えると、新たな人材確保が「10年後」への課題となっていく。
そう考えてこの「アジアプロ野球チャンピオンシップ」を観る。すると井端監督が考える「10年後」の二遊間の有力候補こそが小園なのだと想像できるのだ。
門脇誠への信頼
そして小園と同時に今回の代表メンバーの中で、もう一人、二遊間を含めた内野のユーティリティープレーヤー候補としてクローズアップされるのが門脇誠内野手(巨人)だ。
この大会で井端監督は門脇をショートでも三塁でもなく、巨人でのレギュラーシーズンで9試合しか経験のない二塁で起用した。その結果、韓国戦の7回には投手の横を抜けた緩い打球をファンブルして失策を記録してしまった。
「セカンドとショートではどうしても走者の見え方とかも違う。ランナー(打者走者)の位置が見えないで、足の速さは分かっていたので、よくない体勢でボールに入ってしまいました」
門脇の反省だが、それも糧にする。
「今までやってきたことのないものを日の丸を背負ってやっているので、その中でプレーできているのは今後につながると思います」
もちろん失策はあったが守備に関する井端監督の信頼は揺るがない。