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大谷翔平に「俺たちいい打線だな」トラウトしみじみ…エンゼルスの“偉大な兄貴分”から大谷は何を受け取ったのか?「一緒のチームでよかった」
text by
斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byJIJI PRESS
posted2023/11/16 11:03
互いをリスペクトし合い、エンゼルスを引っ張ってきた大谷翔平とマイク・トラウト。二人の言葉で、関係性を紐解く
トラウトはメジャー2年目の2012年シーズンから頭角を現し、10年以上にわたり継続して結果を残し続けた。そして2019年までに3度のMVPを獲得。大谷が打者で大事な指標の一つと明かしているOPS(出塁率+長打率)は、2015年、2017~2019年とリーグトップ。選球眼に優れ、甘い球を長打にできる確実性もある。好球必打を実践する理想的な打者が、大谷の目の前にいた。ネクストバッターズサークルでの観察はとくに感じるものがあった。
「ホームランだけじゃなくて打席の運び方とか、そういうのも後ろで見てると違うかなと思う。ベンチで見ているよりもより近いので、何考えているのかなとか、どういうタイミングで打っているのかなとか」
すべてが糧になるとはいえ、それをそっくりそのまま模倣するわけではない。
「生きるところ、生きないところ、やっている人間が違うので、それは向き、不向きがあるのが当然ですし、必ずしもそっちがいいわけではないので、こういう取り組みもあるんだなという一つの参考にはいいかなと思います」
「本当に一緒のチームでよかったな」
何年経っても野球人として尊敬する心は変わらない。満票でリーグMVPを獲得した2021年11月の質疑応答でも、感謝と敬意を示した。
「一緒にやることで勉強になったりとか、バッティングに関しては勉強させられっぱなしのところがあるので、本当にそこを見てきたからいろいろ対応できた部分はあると思いますし、本当に一緒のチームでよかったなと。来年(2022年)、一緒に頑張れたら、もっともっと強いチームになるんじゃないかなと思います」
この言葉を聞けば、トラウトの存在が大谷にとってどれだけ大きかったのかが伝わってくる。
2022年のシーズン途中、互いに切磋琢磨していることを指摘され、謙遜するように言った。
「それはないですかね。誰がどう見ても一番はトラウト選手じゃないかなと思うので、僕は引き上げられてって感じですし、実質(自分は)去年(2021年)しかいいシーズンはないので、それをしっかり続けることに意味があるというか、そこが一番大事かなと思います」
「見ていて楽しいですね。調子のいいバッターっていうのは、打つ雰囲気しかないので、どこから見ていても楽しい」