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大谷翔平に「俺たちいい打線だな」トラウトしみじみ…エンゼルスの“偉大な兄貴分”から大谷は何を受け取ったのか?「一緒のチームでよかった」
text by
斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byJIJI PRESS
posted2023/11/16 11:03
互いをリスペクトし合い、エンゼルスを引っ張ってきた大谷翔平とマイク・トラウト。二人の言葉で、関係性を紐解く
WBC前にトラウトが大谷に言った「俺たちいい打線だな」
信頼を寄せ合う二人が、ライバルとして戦った2023年3月のWBC。その直前、2月中はともにエンゼルスで調整を行っていた。それぞれの代表チームに合流する前に交わした言葉は、果たしてどんな内容だったのか。
「WBCの話とかはせずに、『俺たちいい打線だな』みたいな。そういうチームの話をしていましたね」
あくまで同僚としての会話だった。
思えばエンゼルスとの縁がつながった時から、大谷はトラウトの存在を意識していた。2017年12月9日の入団会見。自己紹介の最後にメッセージを送った。
「今日は(主力選手の)マイク・トラウト選手の結婚式です。結婚、おめでとうございます」
一般公開の記者会見場は盛り上がった。さらに、背番号17を選んだ理由については、こう明かした。
「本当は27番(マイク・トラウトの背番号)をつけたかったんですけど、埋まっていたので17番にしました(笑)」
常に大谷を気遣い、兄貴分としてリードしてくれたトラウト。2019年のシーズン前に、エンゼルスと12年の長期契約を交わした際には、本拠地のスタジアム外で行われた記者会見場に他選手とともに大谷も列席。最前列でスピーチを聞き入った。2021年に大谷が初めてオールスターのホームランダービーに出場した時には、給水の休憩中に電話で激励された。
固い信頼関係で結ばれる二人。二刀流で花開いた大谷にとって、トラウトの影響はとてつもなく大きい。
《初回「大谷翔平の仕事論」編、第2回「エンゼルス愛」編からつづく》