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大谷翔平が思わず「失礼ですね(笑)」と返した質問って?「(野球選手は)仕事だという感覚ではない」やっぱりスゴかった独自の“仕事論”

posted2023/11/16 11:01

 
大谷翔平が思わず「失礼ですね(笑)」と返した質問って?「(野球選手は)仕事だという感覚ではない」やっぱりスゴかった独自の“仕事論”<Number Web> photograph by Getty Images

ベンチで楽しそうに笑う大谷翔平。活躍の裏には、誠実な「仕事論」があった

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斎藤庸裕

斎藤庸裕Nobuhiro Saito

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今シーズンも二刀流で偉大な成績を残したエンゼルスの大谷翔平。日本時間11月17日朝のMVP発表を前に、受賞への期待も高まっている。MLBのスーパースターとして輝き続ける大谷のエネルギーの源とは何なのか? メジャー挑戦1年目から現地で取材を続ける斎藤庸裕氏の著作『大谷翔平語録』(宝島社)より、【大谷翔平の「仕事論」】の章を抜粋して紹介します。《全3回の初回/「あふれるエンゼルスへの愛情」編に続く

僕は頑張りたいなと思っていることを頑張るだけなので、あまり仕事だという感覚ではない

◆◆◆

 プロ野球選手やメジャーリーガーは、シーズン中であればほぼ毎日、球場に来て練習し、試合に臨む。それが仕事でもある。大谷は投打の両方でそれをこなしている。大谷自身が「仕事」という言葉を取材時に使うことは多いのだが、かつて何度か、仕事をしている感覚ではないとも発言している。最初は1年目のシーズン最終戦でのことだった。試合後、ある日本人記者からの質問の流れで、こう問われたことがある。

「仕事をしているようには見えないのですが……」

 大谷は「フフッ」と笑いながら、こう答えた。

「失礼ですね(笑)。いや、本当にそんな感じですね。ちっちゃい頃から始めてきて、そのままここまで来たという感じなので。本当にその環境をつくってくれた周りのおかげかなと」

大谷翔平にとっての「仕事」とは?

 楽しそうに野球をする姿は見る者を魅了する。先入観や常識を覆し、挑戦を続ける生きざまがファンにエネルギーを与える――。ただ、本人の意識はそこまで肩肘を張ったものではない。シンプルに野球がうまくなるために努力し、チームの勝利に貢献するにはどうすればいいのか。ひたすらそこに重きを置いているように見える。

 例えば、先頭打者で塁に出ること、得点圏で安打を放つこと、先発投手として長い回を投げること。いずれも「仕事」と大谷は表現する。野球選手は夢や勇気を与える職業ともいわれるが、大谷には独自の考え方がある。

 エンゼルスの本拠地・アナハイム在住の一人のファンが、二刀流でベストを尽くし、挑戦を続ける大谷のエネルギーに感銘を受けていた。この話題を振られた大谷は、必ずしも自分自身はファンの気持ちを考えてプレーしているわけではないと明かした。

「それは受け取る人の感覚というか、僕は頑張りたいなと思っていることを頑張るだけなので、あまり仕事だという感覚ではないですし、ただ、自分が頑張りたいなと思っている分野のことなので」

【次ページ】 誠実すぎる「子どもたちへの思い」

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