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岡田彰布は報道陣に15回怒っていた「当たり前のことやんか」本音ズバリの岡田語録“ガチ検証”でわかった「あの口グセが阪神を日本一にした」
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byNanae Suzuki
posted2023/11/07 11:03
岡田彰布の口癖「当たり前やんか」を分析してみた
○4番を打ち続けた大山悠輔
〈「当たり前のことを当たり前にやること」が一番大事だと思って毎日プレーすることだけですね〉〈当たり前のことを当たり前にやる、たとえ負けていても最後のアウトが決まるまで全力でやる〉(6月26日号/週刊ベースボール)
○登録抹消後、一軍に復帰して勝ち星を上げた青柳晃洋
〈できることを当たり前にできるように、ファームの試合でずっとやってきた〉(7月12日配信/朝日新聞DIGITAL)
○2位・広島とのカード初戦に18号ソロを放った佐藤輝明
〈この3連戦が重要になるが、との問いに「普通にいきましょうよ」〉(9月8日配信/朝日新聞DIGITAL)
9月14日の巨人戦に勝って優勝を決めると、レギュラー陣が強さの秘訣や当たり前の大切さを語った。
○リードオフマン・近本光司(優勝手記)
〈俺たちの野球、普通の野球をすれば優勝できる。そんな感覚でプレーできていました〉(9月15日配信/サンスポ)
○内野の要であるショート・木浪聖也(優勝記念で中野拓夢と特別対談)
〈本当に毎試合、毎試合当たり前のプレーをしっかりやるというのが自分ら内野手にとって一番大事〉(9月15日配信/デイリースポーツonline)
○抑えの切り札・岩崎優(シーズンを振り返って)
〈チーム全体で「やるべきことが分かってきたんだろうな」と。投手陣は普通に投げるだけ。そして“余計な四球”を出さないという心掛けをしていった。当たり前のことを当たり前にしていく、という野球が8月、9月に浸透していったな、と思います〉(10月16日号/週刊ベースボール)
岡田監督の “当たり前のことを当たり前に”という意識が選手に浸透していき、夏場以降の無類の強さに繋がったのだ。
「当たり前」使用対象者ランキング発表!
普通の監督なら、このような分析だけで終わる。しかし、岡田監督の「当たり前」を調べると、他にも傾向があった。言われた対象者を分けてみると、以下の結果が出た。
【「当たり前」使用対象者ランキング】(2つ目の名詞は感情や意図を推定)
1位:15回 報道陣への怒り
2位:7回 チームへの意識付け
3位タイ:5回 岡田彰布へのノリツッコミ
3位タイ:5回 その他
※1 いずれも文脈から判断。記者とのやり取りがデイリースポーツonlineにない場合は他のスポーツ紙のサイトを参照した。
※2 「報道陣への怒り」「チームへの意識付け」「岡田彰布へのノリ突っ込み」でない場合は「その他」と判断した。例えば、1月9日の新人合同自主トレ後に「訓示で森下らに焦らずにと」と聞かれ、「そらあねえ、今までやってきた選手みんなそうですけど、やっぱりなんかいいとこ見せようとか、そういう気持ちになるのは当たり前でね」と発言。これはルーキーの気持ちを代弁したと考え、「その他」とした。