「チーム状況を考えれば、他に優先すべきポイントがあると思います。外野手は大島選手、岡林選手、細川選手とそろっていて、ブライト選手や鵜飼選手を育てる方針もあるはずです。チームの課題となっている長打力のある外国人を補強するのであれば、守備位置は外野の可能性が高いです。結果的に抽選で度会選手を外して、草加投手を獲得できたのは良かったと感じています」

　中日の外野手は大島洋平選手と岡林勇希選手に加えて、今シーズンはDeNAから移籍してきた細川成也選手がレギュラーに入った。2021年のドラフトでは、即戦力として1位でブライト健太選手（上武大）、2位で鵜飼航丞選手（駒沢大）、6位で福元悠真選手（大阪商業大）と3人の外野手を指名している。ここに度会選手を加えるより、即戦力投手として期待できる亜細亜大・草加勝投手の方がチームのバランスは良いと山崎さんは指摘した。

中日が“外れ1位”で交渉権を獲得した草加　©Hideki Sugiyama

中日の遊撃手2人指名については…

　ただ、全体としては中日のドラフトは「あまり良くなかった」と評価は厳しい。特に、ウェーバー制で2位指名が最も早い利点を生かしきれなかったと指摘する。

「どこの球団も内野手はほしいですし、中日は二遊間が固まっていないので、なおさらだと思います。そこをドラフトで埋めようと考えたのだと思いますが、二遊間の即戦力は簡単ではありません。せっかく13番目の指名権があったので、2位に即戦力の投手を指名する戦略もあったのではないかと感じました」

　中日は2位に三菱重工East・津田啓史選手、3位に仙台大・辻本倫太郎選手と、ともに遊撃手を指名した。山崎さんは2人がドラフトで指名される力があると認めながらも「立浪監督は来シーズン、進退をかけた勝負の年になります。ドラフトで投手を充実させて、野手は現状のメンバーを底上げした方がチーム力は上がるように見えます」と語った。

常廣ら広島のドラフト戦略を高く評価するワケ

　古巣への愛情や期待もあって中日には辛口となったが、セ・リーグの他球団では広島の戦略を高く評価した。

広島ドラフト1位指名の常廣　©Hideki Sugiyama

　広島は楽天と競合した青山学院大・常廣羽也斗投手をはじめ、指名した5人中4人が大学生投手。左右2人ずつバランス良く指名した。山崎さんは以下のように語る。

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