- #1
- #2
プロ野球PRESSBACK NUMBER
楽天“育成指名なし”に「お金をかけない事情が」パのドラフトを山崎武司が斬る…指名漏れスラッガー真鍋慧を「高卒で見たかった」ワケ
posted2023/11/01 11:01
text by
間淳Jun Aida
photograph by
Hideki Sugiyama
パ・リーグはセ・リーグ以上に、球団の狙いが色濃く反映された。中日、オリックス、楽天でプレーし、セ・パ両リーグで本塁打王を獲得した野球評論家・山崎武司さんによるドラフト分析。パ・リーグの指名を見た山崎さんは「各球団の特徴がはっきりと表れました」と総括した。
オリックスの“4位まで高卒指名”に注目
大学生の投手が豊作だった今秋のプロ野球ドラフト会議で、高校生の野手を唯一、1位指名したのがリーグ3連覇を果たしたオリックス。上田西の遊撃手・横山聖哉選手を単独指名した。横山選手から始まり、4位指名の報徳学園・堀柊那選手まで、上位4人は全員高校生。高校生を1人も指名しなかった巨人が象徴するように、今年は大学生や社会人に指名が集中する中、オリックスの戦略は目を引いた。山崎さんが語る。
「今の戦力が充実しているので育成に重点を置ける部分があると思います。最近のオリックスは高校生のスカウティングが成功して選手が育っているので、今回指名された4人も数年後にどんな活躍をしているのかファンはワクワクしているのではないでしょうか」
オリックスは今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも出場した山本由伸投手や宮城大弥投手といった高卒の選手が先発ローテーションの柱を担い、今シーズン必要不可欠な存在となった山崎颯一郎投手や山下舜平大投手も高校卒業後にプロ入りしている。野手では紅林弘太郎選手や宗佑磨選手が育っている。山崎さんは「ドラフトの戦略と育成の力、どちらも上手くいっている結果です。しばらくオリックスの良い時代が続きそうな雰囲気があります」と評する。
享栄高のドラ3腕・東松に期待する理由
潜在能力の高い若手を開花させる術に長けているオリックスだからこそ、山崎さんはドラフトで3位指名を受けた享栄・東松快征投手への期待を膨らませる。
150キロを超える直球を武器とする左腕の課題はコントロール。山崎さんはこうも話す。