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「ホンマに初球から行きよった」阪神・岡田監督が明かした山本由伸攻略のカギ…佐藤輝明の盗塁と昭和の打撃「真っ直ぐ打てしか言うてないよ」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2023/10/29 13:40
日本シリーズ第1戦、オリックスのエース山本由伸を攻略し8-0で完勝した阪神・岡田彰布監督
メジャーリーグの流れから、今は日本でも打者の手元で動くボールが全盛である。その動くボール対策としては、ポイントを後ろに置いて、呼び込んでさばくバッティングが日本のプロ野球でも主流になりつつある。
山本もまたメジャー流の投手であり、真っ直ぐといっても、打者の手元で微妙に変化し、またカットボールなども駆使してくる。だからこそこのオフに予想されるポスティング移籍を睨んで、全米のMLBチームが注目する投手でもあるのだ。
しかし、岡田監督があえて求めたのは前さばきという打撃の王道であり、“昭和のバッティング”の基本だった。そしてその打撃がメジャーに最も近い投手を打ち崩す最大の武器となったのである。そしてそういう単純明快な指示の方が短期決戦では選手に伝わりやすく、動きやすいということだ。
先発・村上頌樹投手がほぼ完璧な投球内容で7回2安打無失点の投球を見せ、心配された打線も13安打8得点というスタート。
「久しぶりにこういう舞台に立てたのは光栄に思うし、初戦でこういう勝ち方をしたので、この勢いでやっていきたい」
2005年のロッテとの日本シリーズで4試合合計「4対33」という伝説の敗北を喫してから18年。“昭和”を感じる岡田野球が時代を超えた強さを見せた。