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「ひょっとしたら…」広島カープ・新井貴浩監督が冴えまくってる！ CSファイナル進出を決めた“根拠あるギャンブル”「恐怖心はないっす」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2023/10/17 17:27
CSファーストステージで連勝し、ファイナル進出を決めた広島カープ・新井貴浩監督
CS開幕前のミーティングでは選手に「北島三郎さんでいくよ！ まつりだ、まつりだよ～！」と伝えたという報道もある。ポストシーズンという特別な戦いだが、決して楽しむことを忘れずにいこう。それが新井イズムだ。選手も“まつり”のムードに乗って伸び伸びと普段通りの力を出し切る。
第1戦では4番の堂林翔太内野手が送りバントを決めた。2戦目も初回に先制弾を放った西川龍馬外野手に無死一、二塁の場面では送りバントのサインを出して、堂林に代打の切り札・松山竜平外野手を送る。そんな勝負に徹した起用も目立った。そして第2戦の6回には末包昇大外野手のソロ、同点に追いつかれた後の8回には無死満塁から田中広輔内野手のタイムリーと代打に指名した選手が期待通りの一打を放った。
広島の強さの秘密
投手の継投もぴたりと嵌った。
第2戦では好投していた先発の森下暢仁投手が一死三塁のピンチを招くと、すかさず大道温貴投手にスイッチ。その大道が「力で押し込んで三振か詰まらせてというのを期待した」と監督の言葉通りに、すべて真っ直ぐで大田泰示外野手を二飛、牧秀悟内野手を右飛に打ち取りピンチを脱した。
新井さん、冴えまくっていたのである。
監督の狙い通りに選手が動けば、それは強いはずなのだ。そうして普段通りに動ける環境を作れていること、それがファーストステージでの広島の強さの秘密だったのである。
「ポストシーズンというエキサイティングな試合に参加できる喜びを感じると思うが、大事なのはその興奮にのめり込みすぎないことだと思う」
こう語ったのは第3戦に先発予定だったDeNAのトレバー・バウアー投手だった。
バウアーはMLB時代に3度のポストシーズン出場経験がある。そこでCS開幕前にはDeNAの投手陣にこんなアドバイスを送ったという。
