Number的、ウマ娘の見方BACK NUMBER
ゴールドシップ「ゲートからうまく出られなくてな」キック&大出遅れの伝説も再現…アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』を考察してみた【ウマ娘考察#3】
text by
屋城敦Atsushi Yashiro
photograph by©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会
posted2023/10/20 18:01
ゴールドシップの引退発表を記者会見として描いた第3話。ゴールドシップの描写は信じられないかもしれないが、意外なほど史実通りな点が多い
その瞬間、史実を知らないトレーナーたちは期待したかもしれない。しかし、『ウマ娘』はあくまで史実に沿って物語が展開していく作品である。坂を上りきったところでオールハイユウ(モデルはゴールドアクター?)がきっちりとキタサンブラックらを捉え、そのまま1着でゴール、2着にもサウンズオブアースが突っ込んできてキタサンブラックは3着、ゴールドシップは最後の直線で勢いなく8着に終わり、レースの幕は閉じた。
レース後には粋な演出も。しんみりとした雰囲気を打ち払うかのようにオルフェーヴルとジェンティルドンナへ宣戦布告したゴールドシップに声援を送る観客席。その中には、史実でゴールドシップや白毛のGI3勝馬ソダシを担当した今浪隆利厩務員らしき、帽子を被った白髪の男性の姿が……。じつは第2期第3話でもそれらしき姿が登場しており、今回も同じ第3話。競馬を題材にした作品にふさわしい、運命的な数字の巡り合わせと思ってしまうのは考え過ぎだろうか。
先輩からキタサンブラックにバトンが受け継がれた
第3話までは、トウカイテイオーとナイスネイチャなど過去に同じような経験をした先輩たちになぞらえるようにして物語が進んできたが、この先は過去に例のない、キタサンブラックだけの物語が紡がれていくことになるのだろうか。だとすれば、その飛躍はどのように描かれるのか。また、ついに台頭してくるライバルたちの活躍は……? 随所に盛り込まれたウマ娘たちの小ネタも含めて、画面から目を離せない日が続く。