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ゴールドシップ「ゲートからうまく出られなくてな」キック&大出遅れの伝説も再現…アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』を考察してみた【ウマ娘考察#3】
text by
屋城敦Atsushi Yashiro
photograph by©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会
posted2023/10/20 18:01
ゴールドシップの引退発表を記者会見として描いた第3話。ゴールドシップの描写は信じられないかもしれないが、意外なほど史実通りな点が多い
「ゲートからうまく出られなくてな」と自身で語っているように、史実でもゴールドシップとゲートには浅からぬ因縁がある。2015年の宝塚記念で大幅な出遅れを喫し、三連覇の夢が一瞬のうちに泡と消えた一件は今でもファンの語り草となっている。そこで課せられた“発走調教再審査(ゲート再試験)”に合格し、晴れてジャパンカップへの出走が認められたわけなのだが、じつは春の天皇賞でも枠入り不良だったためにこれがこの年2度目の再審査であった。
サウンズオブアース、バイオリン&イタリア語の理由
そんなことは気にする様子もなく「史上初のGI8勝だ!」と意気軒昂に語るゴールドシップ(史実ではその後、アーモンドアイがGI9勝という大記録を打ち立てた)。しかし、キタサンブラックを筆頭にさまざまなライバルが名乗りを上げる。サウンズオブアースもそのひとり。
史実では500万円以下条件のはなみずき賞以来勝利を挙げられなかったものの、GⅠ3回を含む重賞で計7回も2着に入るなど“史上最強の2勝馬”として活躍した馬だが、『ウマ娘』ではバイオリンでみずからのテーマを弾きながら登場するという、強烈な個性を持ったキャラクターとして描かれている。バイオリンを持っているのは、その名前と母“ファーストバイオリン”からだろうか。
なお「ベリッシマ(最高に美しい)」など、彼女が使う横文字はイタリア語である。それはおそらく、史実で主戦(30戦中9戦)を務めたミルコ・デムーロ騎手(弟のクリスチャン・デムーロ騎手も2戦騎乗している)がイタリア人だということが影響しているのだろう。ちなみに、ミルコ・デムーロ騎手はサウンズオブアースの父ネオユニヴァースの主戦でもあった。