投手編【2】大阪商業大・上田大河（182cm86kg・右投右打）　

　やはり豊富な球種を駆使して、相手打線を最小限の失点に抑えるのが、大阪商業大・上田大河投手（182cm86kg・右投右打・大商大高）。

　コンスタントといえば、上田投手のコンスタントさにも舌を巻く。

　2年春からローテーションで投げ始め、以降の6シーズンで防御率1点台ではなかったのは、3年春の一度だけ。

　150キロ台の速球が投げられて、カットボールでわけなく追い込み、地面に突き刺さるようなタテのスライダーとフォークとチェンジアップで打ち取ってしまう。一見、パワーピッチャーに見えて、100球以内で完封したこともあり、精度も高い。

ドラフト目玉ベスト3 投手編【2】大阪商業大・上田大河投手（182cm86kg・右投右打）　©KYODO

　見上げたもんだと思うのが、ピンチの脱し方だ。

「ここからがオレの真価だ」とばかりに、嬉々として投げ込んで来るように見える。外向きのエネルギーを発散しながら、頭の中ではちゃんとプランを作って投げているはず。そうでなかったら、ダグアウトに戻る時のあの「納得顔」はない。

　先発も、リリーフでも、どちらもいい仕事のできる投手。「関東」にいたら、もっと大きな活字でもっと前から報道されていた投手だ。

投手編【3】亜細亜大・草加勝（182cm72kg・右投右打）

　そして、最後の一人の亜細亜大・草加勝投手（182cm72kg・右投右打・創志学園高）は、監督交代もあってなにかと大変だったはずの「亜細亜投手陣」を、事実上、一人で支えてきた快腕である。

　ストレートのアベレージは140キロ台前半でも、ピンチで火がつけば150キロ前後に達する快速球を、ガンガン投げ込むわけじゃなく、ひたすら丁寧に、丹念に、両サイド低めにきめるポーカーフェイスなピッチングスタイル。

ドラフト目玉ベスト3 投手編【3】亜細亜大・草加勝投手（182cm72kg・右投右打）　©JIJI PRESS

　スライダーも、カットも、ツーシームも、フォークもとにかく低い。オールローボール。「鬼の東都」とも称される高レベルのリーグ戦で通算6完封（10月11日現在）が評価されないで、誰の何が評価されるのか。

　長い手足のボディーバランス抜群のしなやかなランニングフォームも、今後の伸びしろを保証しているようで、50mを5秒台で走る一級品のバネと、遠投115m……ライナー性の軌道で80m前後投げられる地肩の強さも併せて、コンスタントに150キロ前後が投げられる近未来も想像できる。

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