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優勝本命だったソフトバンク“本当の誤算”…なぜオリックス独走に? 山本由伸から3勝、近藤健介らタレント揃いも…「あの12連敗から始まった」
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2023/09/22 11:03
7月にまさかの12連敗…だがソフトバンクV逸の理由はほかにあった。
7月12日(対西武)2-4 痛恨逆転負け。中村晃2安打1打点。
7月13日(対西武)2-4 「一、二塁」なのに近藤が申告敬遠された。続く柳田が初球を2点タイムリー。
7月15日(対オリックス)2-3 三森が3安打2打点。2号アーチ&9回タイムリー。
7月16日(対オリックス)1-2 東浜巨が8回99球1失点。3回以降は打線1安打のみ。
7月17日(対オリックス)0-3 球宴までの前半戦終了。カーター・スチュワートJr.、3ラン被弾の1球に泣く。中村晃が5番、約2カ月ぶりに1番以外での起用。球団初の3カード連続で3タテの屈辱。9連敗は27年ぶり、引き分けを挟まない9戦9敗は1990年以来33年ぶり。今季7度目の完封負け。
7月22日(対ロッテ)2-5 ルーキー・生海が「7番ライト」スタメンでデビュー、第2打席で右前打。
7月23日(対ロッテ)3-4× 今季初のサヨナラ負け。延長10回。ウイリアンス・アストゥディーヨがスタメン。来日1号。84試合目で“助っ人”初アーチ。11連敗は、1分けを挟んで15連敗した1969年以来、54年ぶり。11戦11敗は球団初の屈辱。
7月24日(対ロッテ)1-2× 勝利目前で守護神・オスナがまさかのサヨナラ2ラン被弾、12連敗に。
7月25日(対オリックス)5-0 ようやく連敗ストップ。有原完封、115球6安打11奪三振2四球、今季4勝目。柳田が8回貴重な2点タイムリー二塁打を放つなど難敵・山本由伸から3点を奪う。
4カード連続3タテを食らっての不名誉な12連敗。首位・オリックスとのゲーム差は「8」まで開いてしまっていた。今季パ・リーグの分岐点は、このソフトバンクの急降下だと断言して間違いないだろう。
ただ、さらに根深い問題はそれ以降の戦いにある。
連敗後も…勝率5割届かず
7月1日を起点として考えると、現時点までの約2カ月半以上ものあいだ3連勝が一度もないのである。V字回復どころか、大型連敗を止めて以降の勝率も5割を切ってしまっているのだ(以下、成績・データはいずれも9月20日時点)。
6月までと7月以降、いったい何が大きく違ったのか。