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優勝本命だったソフトバンク“本当の誤算”…なぜオリックス独走に? 山本由伸から3勝、近藤健介らタレント揃いも…「あの12連敗から始まった」
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2023/09/22 11:03
7月にまさかの12連敗…だがソフトバンクV逸の理由はほかにあった。
パ・リーグの個人成績を見れば、打率5傑には2位に近藤(.300)、3位に柳田(.299)、4位に中村晃(.282)が名前を連ねている。本塁打と打点のランキングでも柳田と近藤が上位におり、特に打点に関しては1位・近藤(79)、2位・柳田(76)と上位をソフトバンクが独占しているのだ。
得点数も現時点でパ・リーグ1位を記録している。
しかし、7月の12連敗の期間中は、1950年の2リーグ制以降で球団ワーストの9試合連続2得点以下(7月8日~22日)を記録するなど、なんともバランスが悪かった。
柳田と近藤の次を打つ5番打者が最大の弱点だった。今季の「先発5番打者」は打率.209、4本塁打、49打点。打率も本塁打数も打点も、とても打線中軸の成績とは言えない。
「5番打者」が最大の弱点だった
その一番の要因は外国人打者の不振。来日2年目のフレディ・ガルビス、今季加入のアストゥディーヨとコートニー・ホーキンス、今季途中に“再加入”したアルフレド・デスパイネが一軍出場したが、4人合わせて128打数14安打の打率.109、1本塁打、5打点。ここまで成績が悪いと獲得した編成担当の問題なのか、そもそも日本野球への適応ができなかったのか、もっと適した起用法があったのか、問題解決の糸口を見つけるのすら難しくなる。
チームの課題は、探せばまだ他にも出てくるだろう。大型連敗に始まった今夏以降の低迷の要因は単純明快ではなく、いくつもの糸が絡まって生じたのではなかろうか。
山本由伸から3勝…CSで復活するか?
それをほどけないままこの局面まで来てしまった。
ただ、ソフトバンクが実力者の集団であることは疑う余地がない。あの山本由伸に3度も土をつけたチームである。クライマックスシリーズに進出して一波乱を起こしてやろう。そう思って腕をまくっているはずだ。