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18歳なのに“プロ野球で敵なし”状態…松坂大輔の全盛期はいつだったのか? 21歳の沢村賞に反対の声も…「あの日、選考委員が語っていたこと」
text by
太田俊明Toshiaki Ota
photograph byJIJI PRESS
posted2023/09/24 11:02
1999年12月、プロ1年目を終えた契約更改時の松坂大輔
日本シリーズ、WBC、ワールドシリーズ…すべて制した男
松坂は、その後もプロ入り以来3年連続最多勝を獲得するなど活躍を続け、日本のエースとして2004年のアテネオリンピックで銅メダル、2006年と2009年のWBCを連覇して2大会連続のMVPに選ばれている。
加えて、2004年に西武で日本シリーズ優勝、2007年にレッドソックスでワールドシリーズ優勝と、甲子園、日本シリーズ、MLBワールドシリーズ、WBCを制した史上初の投手となった。
ベストシーズンを山本由伸と比較
そんな松坂は、果たして「日本プロ野球史上No.1投手」といえるのか。生涯ベストシーズンの成績を比較して決める当企画。現チャンピオン山本由伸(オリックス)との対決である。
松坂のベストシーズンは、レッドソックスに移籍する直前の2006年だ。この年の松坂は、自己最多の勝利数17、自己最高勝率.773、さらに防御率とWHIP(投球回あたり与四球・被安打数の合計)でも自己ベストを記録している。
同年の成績を、山本のベストシーズンである2021年の成績と比較してみよう(赤字はリーグ最高、太字は生涯自己最高)。
【2006年の松坂】登板25、完投13、完封2、勝敗17-5、勝率.773、投球回186.1、被安打138、奪三振200、与四球34、防御率2.13、WHIP0.92
【2021年の山本】登板26、完投6、完封4、勝敗18-5、勝率.783、投球回193.2、被安打124、奪三振206、与四球40、防御率1.39、WHIP0.85
1試合当たりの四球数は、松坂1.64に対して、山本は1.86と松坂がリード。松坂にはさほど制球力が優れたイメージがないので少し意外な結果だが、メジャーに移籍した2007年に204.2回で80四球(1試合当たり3.52)、2008年に167.2回で94四球(1試合当たり5.04)と数が増えている。このあたりにメジャーで苦戦した原因がありそうだ。
当企画で重視する打者圧倒度――1試合あたりの被安打数、9イニングあたりの奪三振数、防御率、WHIP――を見てみよう。同被安打数は、松坂6.67に対して5.76の山本がリード。同奪三振数は、松坂の9.66に対して山本9.57と、こちらは松坂がわずかに上回る。