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武豊が「一緒に乗れるのは感慨深い」全盛期27歳で落馬事故、左目を失った“高知の隻眼ジョッキー”がJRAの大舞台に立った夏
text by
井上オークスOaks Inoue
photograph byOaks Inoue
posted2023/09/10 17:01
8月下旬、札幌競馬場で再会を果たした武豊と宮川実(高知)。じつは同じ時期にケガからの復帰を目指していた繋がりがあった
妻の宮川真衣調教師をはじめ、兄の宮川浩一調教師、師匠の打越初男氏の息子である勇児調教師、西川調教師、義父の別府真司調教師などなど、高知から札幌にかけつけた大応援団への感謝。だからこそ結果を出して恩返ししたかったという歯がゆさ。慣れない競馬場でヘトヘトになるまで力を尽くした充実感。いろんな想いが混ざり合って、宮川騎手はなんとも素敵な笑顔を浮かべた。
「やっぱり経験値の違いを感じました。これからもっと勉強して、成長して、『JRAさんの競馬場に、絶対もう一度乗りに来たい』と思います!」
世界の名手を肌で感じて生まれた情熱こそが大きな収穫だったに違いない。
こういう舞台の常連になってほしい
武騎手もエールを送る。
「本当に、実と一緒に乗れて嬉しいです。どんどんこういう舞台の常連になってほしいですね」
9月14日、兵庫県の園田競馬場で、2000勝以上の騎手が覇を争う「ゴールデンジョッキーカップ」が開催される。武騎手をはじめ超豪華メンバーが集結し、高知からは赤岡騎手、宮川騎手も参戦予定だ。40歳になりベテランの域に突入した宮川騎手だが、「現役の間はずっと“勉強”だと思っています」。さらなる経験値を積んで、豪華メンバーの常連入りを目指す日々が続いていく。