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栗東って読めますか? 滋賀県にある“ナゾの競馬駅”「JR栗東駅」には何がある?「53年前、滋賀の寒村に競馬トレセンが出来た深い事情」
posted2022/08/14 17:02
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph by
Sankei Shimbun
中央競馬の馬たちは東西にそれぞれひとつずつあるトレーニング・センター(トレセン)に暮らしている。実際にはトレセンの外で調教を積んで、レースが近づいたときだけ戻ってくる、などということも当たり前になっているが、「競走馬はどこに住んでいるの?」という質問にとりあえず答えるとすれば、「トレセンだよ」と答えておけば充分だと思う。
さて、そこで問題はこのトレセン、どこにあるのかという点だ。東は茨城県稲敷郡美浦村、霞ヶ浦のほとりの美浦トレーニング・センター。西は滋賀県栗東市、琵琶湖のほとり……というには少し離れた山の中にある栗東トレーニング・センターである。読み方はそれぞれ「みほ」「りっとう」。競馬ファンには改めて言うまでもないほどおなじみだろうが、実は難読地名だ。
とりあえず今回、美浦は置いておいて、栗東とはどんなところなのだろう。そう考えて地図を見ていたら、東海道本線(JR琵琶湖線)に「栗東」という駅があるではないか。駅前にトレセンがあるわけではないだろうとは思いつつ、栗東という町がどんな町なのか、栗東駅を訪れることにした。
JR栗東駅には何がある?
栗東駅へは東海道新幹線を京都駅で降りてJR琵琶湖線に乗り換えて25分ほど。みんな大好き新快速は停まらないのがちょっと残念だが、それでも京都から30分足らずだからずいぶん近い。
さて、栗東駅はどんな駅なのか……というと、過去10年で8頭ものダービー馬を輩出している天下の栗東トレセンのある町なのに、ずいぶんと小さな駅だった。