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「ああ、終わっちゃうんかあ」大谷翔平“あの最後の1球”の後ろで…“小指骨折”源田壮亮はこう思った「あれから…源田選手ですか?が増えました」 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph byYuki Suenaga

posted2023/09/05 11:04

「ああ、終わっちゃうんかあ」大谷翔平“あの最後の1球”の後ろで…“小指骨折”源田壮亮はこう思った「あれから…源田選手ですか?が増えました」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

西武ライオンズ、源田壮亮選手(30歳)。大谷翔平“あの最後の1球”の後ろで、源田が感じていたこととは?

「絶対にスリーバントだなと思っていました。とにかく転がして、あとはランナーに任せちゃおうと思って。失敗したら日本に帰れないな、とかも思っていましたね」

 劇的な村上宗隆(ヤクルト)の逆転サヨナラ打の場面はベンチで声をあげていた。打順的には8番打者の源田も、「2死満塁」の場面などで打席が回ってくる可能性はあった。

「でも村上の打席で試合が終わる、これで決まりそうだという予感がありました。(村上は)打てない時期もあったけど、みんなの前で極端に落ち込んだ姿を見せることはありませんでした。常に声を出して頑張っていて、これはすごい選手だなと感じていた。何というか、あの場面ですごく雰囲気が出ていたんです」

「ああ、終わっちゃうんかあ」

 決勝の相手はアメリカ。大谷が試合前ミーティングで選手たちに呼びかけた「憧れるのをやめましょう」という言葉は今や名言として知られているが、実は源田は「憧れる」対象のメジャーリーガーをよく知らなかったのだという。

「僕、詳しくなくて、メジャーリーグ。普段も全然試合を見ないんです。だから本当に分からない選手ばっかりでした。もちろん(大谷の)あの言葉は心に響きましたよ。でも実際知っていたのは、(マイク・)トラウト……だけですかね。うわあ、すげえ! とかいうのもなくて、実はベンチで周りの選手に『この人すごいの?』、『どういう人なの?』とか聞いていました」

 試合は1点リードを保ち9回へ。“泥だらけのクローザー”大谷がマウンドに上がり、エンゼルスの同僚・トラウトとの対戦でドラマチックなエンディングを迎える。その瞬間、ショートの守備位置につきながら源田は不思議な感覚に包まれていた。

「もうちょっとこの時間が長く続いてほしいなと思いながら、後ろを守っていました。何て言うんですかね、凄いなあってまじまじと景色を眺めて、ああ、終わっちゃうんかあ、って。夢のような時間だったなあ、とかそんなことを思いながら(大谷の)後ろ姿を見ていたんです」

「源田選手ですか?」が増えました

 一刻も早く3つ目のアウトを手にしたいという思いよりも先に立ったのは、夢のような光景をもう少し見ていたいという感慨。“時間よ止まれ”と願うほど、源田にとってこの大会が、この日本代表のチームが特別なものに思えていた。

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