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“ラツィオ鎌田大地デビュー弾”にファン総立ち…番記者「チームの出来は彼次第」、智将サッリ「カマダがいるならソウは要らん」期待値がデカい!
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byNurPhoto/Getty Images
posted2023/08/14 17:01
ラツィオでの実戦初戦は最高の形となった鎌田大地。現地での期待値は想像以上に大きい
見てくれにこだわらない性分ながら最新理論のアップデートも怠らないサッリ親分は、今月6日のジローナ(スペイン)遠征の後、チームに2日間の休暇を与えた。自分も短い休暇を取るつもりだったが、テストマッチの内容が芳しくなかったこともあり、4日にサインした鎌田がフォルメッロ練習場へ即合流すると指導プランを練るために休暇を返上。
さらにクラブが鎌田獲得と同時期に進めていたMFジブリル・ソウ(フランクフルト→セビージャ)との交渉も「鎌田がいるならソウはもう要らん」と言って即中止させたほどの惚れ込みようだ。
リーグ屈指の戦術家親分のサッカースタイルは、局面ごとにトライアングルを作り、緻密なパスワークと機動力で崩す“サッリ・ボール”と呼ばれ、高度な習熟度を要する。理解させるには時間がかかることを承知の上で、新しい教え子たちに一刻も早く自らのサッカーを体得してほしいと指導の虫が疼くのだ。
CLとELに強い鎌田へのデカい期待値
ラツィオは今季、4年ぶりにCLに挑む。
鎌田への高い期待の理由の一つは、欧州カップ戦での勝負強さにもある。フランクフルト時代の21-22年シーズンにUEFAヨーロッパリーグを制し、昨季はCLでも3ゴールをあげたことを知らないラツィアーレはいない。
「ここ20年、ラツィオは欧州カップ戦でいい成績を残せていない。だからクラブにしてもファンにしても、CLやELに強い鎌田への期待はかなり高い」(前出ベルゴンツィーニ記者)
13日のラティーナ戦は、元々今夏のカレンダーになかったものだ。急遽組まれたテストマッチは、1週間後に迫る開幕戦を前に何としてでも鎌田をゲーム形式で見たいという指揮官のリクエストによるものだろう。
セリエA史上13人目の日本人選手、鎌田はイタリア全土で未だミステリアスな存在だ。
だが、ラティーナ戦での御披露目ゴールによって、国内有数の応援熱を持つラツィアーレたちの間にはすでに鎌田フィーバーの気配すら漂う。
即戦力としての期待が高い分、プレッシャーも大きい。だが、開幕を最も心待ちにしているのは鎌田本人だろう。20日のレッチェ戦で、鎌田は新たな戦場セリエAに乗り込む。
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