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プロ野球スカウトがホメる「私には“大きな吉田正尚”に見えました」“ドラ1候補”佐々木麟太郎(花巻東)、高校通算ホームラン歴代1位の評価

posted2023/06/12 17:14

 
プロ野球スカウトがホメる「私には“大きな吉田正尚”に見えました」“ドラ1候補”佐々木麟太郎(花巻東)、高校通算ホームラン歴代1位の評価<Number Web> photograph by JIJI PRESS

今秋のドラフト有力候補、花巻東高の佐々木麟太郎(内野手・184cm113kg・右投左打)。高校歴代トップのホームラン通算記録を134本まで伸ばしている

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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 花巻東高・佐々木麟太郎が、春の岩手県大会で「高校通算130本塁打を打った!」と、新聞の大きな活字になっても、まだ私にはピンと来なかったところもあった。しかし、その後の愛知県招待試合(6月3、4日)、3試合4弾の「内容」の濃さには、頭が下がるばかりだった。

 土日の2日間で、東邦高、愛工大名電高、中京大中京高、至学館高と、昨秋の愛知県大会4強を相手に戦う過密日程。チームの、選手個人の、さまざまな「実力」が問われる4試合になるはずだ。

 夏の大会に向けて、大切な試金石になってくるこの愛知県招待試合を、現地取材およびテレビ東京YouTube実況の解説役として、つぶさに見てきた。

 終わってみれば、25失点あり、0対5の劣勢から後半だけでひっくり返した逆転勝ちあり、花巻東にとっては、浮き沈みの大きな2日間だったと思う。

 そんな中で、試合展開に影響されることなく、その大物ぶりを見せつけた佐々木麟太郎の「打ちっぷり」は、お見事!と叫ぶしかなかった。

なぜ“場外ホームラン”が打てるのか?

 まず、初日。第1試合の東邦高戦だ。

 捕飛のあとの第2打席、打ってください……みたいな真ん中速球を、当たり前のように右中間スタンドの場外まで運ぶ。続く3打席目は、卓越した「技術」で、大アーチを小牧市民球場のやはりライト場外まで飛ばしたから驚いた。

 タテのスライダーがホームベースの上に沈んでくるところを、柔らかいヒザの対応で、わずかに体勢を沈ませるようにしてミートポイントを作る。そしてほぼ右手一本のスイングで、「打った瞬間!」の角度を作ってみせた。

 この選手は「引き腕」が使える。

【次ページ】 なぜ“場外ホームラン”が打てるのか?

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