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サムライブルーの原材料BACK NUMBER
21分間で4ゴール…湘南・町野修斗のJリーグ史上初の大記録はいかにして生まれたのか?「記録は、死ぬまで抜かれたくはないですね(笑)」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byShigeki Yamamoto
posted2023/06/10 11:04
Jリーグで得点ランク3位タイの8ゴールをあげている湘南ベルマーレのFW町野修斗
「僕は何でもしたがりなのでゴールもアシストも両方伸ばしていきたい。ただ結果を残すのは当たり前として、自分が落ちて中盤や後ろをサポートしたり、詰まっていたら背後に抜け出したり、時間をつくって全体を押し上げたり……チームを勝たせられるのがストライカー。僕はそこを目指したいと思っています」
守備もしっかりとこなす彼は、勝利のために影で働くことができるストライカーだ。
ベルマーレは開幕こそいいスタートを切り、ガンバ戦での町野の4ゴールは上位に殴り込みをかけていく号砲かと思われたものの、そこから勝てていない。5連敗を含む9試合連続で勝ち星から見放されており、現在は16位と低迷している。本人の言う「チームを勝たせるストライカー」になっていくことが、もうひと皮むける要素なのかもしれない。
今回の代表戦には招集されなかったが…
A代表初招集となった昨年のE-1選手権で3ゴールを挙げて以来、継続的に代表メンバーに名を連ねてきた。しかしながら今回の6月シリーズ(対エルサルバドル代表、ペルー代表)は外れている。まだまだアピールが足りないことも事実だ。
「ワールドカップで試合に出られなかったのは、アジア予選を一緒に戦っていないという信頼感の欠如みたいなものもあると思うんです。僕としては予選から試合に出続けて、次の本大会に行く。それが目標でもあります」
忍者ポーズをJリーグの舞台でたくさん繰り出し、そして日本代表に復帰して世界に忍者ポーズを発信していくのも伊賀の観光大使となった町野修斗の大きな使命である。
「忍者の運命を僕が背負うくらいだと思っています。観光大使なので、しっかり任務を遂行していきます」
表でも影でも任務を果たせるニンジャストライカー。
影の軍団でもハットリくんでもNARUTOでもない。忍者と言えばマチノと呼ばれる時代がいつの日かきっとやって来る。
<前編から読む>