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Jリーグで圧倒的なパフォーマンスも…大迫勇也33歳はなぜ日本代表に呼ばれない?「年齢を理由に選考対象から外すのは合理性に欠ける」
posted2023/05/27 11:02
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Etsuo Hara/Getty Images
代表チームのメンバー選考は、監督の専権事項だ。好みが色濃く反映されても、結果さえ残せば批判されることはない。
そのうえで言えば、5月25日に発表された26人は、それなりに納得感のあるものではないだろうか。
旗手怜央、古橋亨梧、中村航輔が招集された理由
納得感の大きな理由は、MF旗手怜央とFW古橋亨梧が招集されたことだ。所属するセルティックで彼らが示しているクオリティは、誰が監督でも一度は選ばれるべきものだ。言い換えるならば、「代表でどうやって生かすのかを考えるべき選手」である。
3月は招集外だった彼らが、今回招集されたのはなぜか。さらに言えば、所属クラブでかねてから定位置をつかんでいるGK中村航輔が、ここにきて招集されたのはなぜか。
ひとつの理由として考えられるのは「タイミング」だ。
今回の活動は、ヨーロッパ各国リーグの終了後に行なわれる。代表チームの活動終了とともにヨーロッパへ戻り、すぐにまたリーグ戦に臨むことはない。シーズン中に比べて、海外組を呼びやすいタイミングなのだ。
3人の選出が基本のGKは、3月に招集された谷晃生が直近の2試合でスタメンを外れている。それもまた、中村の招集を後押ししたと考えられる。
旗手怜央の左SB起用がもたらすもの
旗手は重要な役割を与えられそうだ。
今回招集された26人には、左SBのスペシャリストがいない。3月に国際Aマッチデビューを飾ったバングーナガンデ佳史扶は、24日のルヴァンカップで負傷してしまった。これまでと同じように伊藤洋輝の左SB起用が濃厚だが、CBも谷口彰悟、板倉滉、瀬古歩夢の3人に限られる。
伊藤を本来のCBで起用することも考えられ、その場合は左SBを任されるのは森下龍矢か旗手になる。森下は右サイドでより力を発揮するタイプで、今回が代表初招集ということを考えると、伊藤とともに左SBを担うのは旗手だと予想する。
所属するセルティックでは中盤で起用されている旗手だが、川崎フロンターレ在籍時からポリバレントさを発揮してきた。森保一監督が采配をふるった2021年夏の東京五輪でも、左SBで使われている。
3月の2試合でトライしたSBが内側を取るポジションも、旗手なら苦もなく消化してみせるはずだ。旗手が内側へ立って中盤で数的優位を作り出せば、左タッチライン際へ、それもより高い位置へボールを供給しやすくなる。それはつまり、三笘薫のドリブル突破という日本代表の圧倒的なストロングポイントを、引き出すことにつながるのだ。