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「こんなことがあってはいけない。私がスワローズの攻撃を見逃すなんて…」東京から北海道の日本ハム新球場に行ってみた私の“本音評価”
posted2023/06/07 18:06
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Kiichi Matsumoto
行ってきましたよ。エスコンフィールドHOKKAIDO。
乱暴に、その体験の感想をまとめるとこうなる。
ものすごく楽しい。でも、野球に集中するのがむずかしい――。
「徒歩25分くらいかかります」
私が訪問したのは5月30日火曜日、交流戦初戦のスワローズとファイターズの試合だったが、まず書いておかなければいけないのは「交通の便」だろう。
プレーボールの18時に合わせて札幌発16時35分、快速エアポート166号に乗り、16時52分に最寄りの北広島駅に到着する。このとき、新札幌―北広島の間で進行方向に向かって右側にエスコンフィールドの偉容を目の当たりにすることができる。
実は、球場が見えてからどんどん遠ざかっていくため、「ここで止めて!」と思うのだが、情け容赦なく列車は進んでいく。ちなみに新駅の開業はいまのところ2027年に予定されている。
さて、北広島駅からはシャトルバスか(200円也。なぜかVISAタッチと現金のみで、交通系ICカードの取り扱いはナシ)、徒歩の二択である。バス乗り場に行ってみると長蛇の列で、並ぶことが大嫌いな私は迷わず徒歩を選択する。これで、Apple Watchのムーブとエクササイズリングも満たされることであろう。
駅の表示では19分、案内係の人の呼びかけでは「25分くらいかかります」という道のりは、天気がよければ極めて快適。雨が降らない限り、私だったら次も歩くと思う。
案内通り、20分ほどすると「神殿」のようなエスコンフィールドが見えてくる。その偉容は人をドキドキさせるに十分である。入場ゲート前には、「TRUFFLE BAKERY」(同行の友人が「あれはジャニーズが差し入れに使ってから、大人気なんだ」と教えてくれた)やグランピング施設がある。
「もう、神宮には帰れない!」
もはや、この時点から球場の範疇を超えている。
そしていよいよ球場内へ入ると、私の感覚ではそこは日本ではなく、アメリカだった。
コロナ禍でしばらくアメリカには行っていないが、一瞬にして30代、40代にメジャーリーグの取材によく行っていたころの空気感を思い出した。