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「阪神で覚醒」大竹耕太郎、「移籍後の号泣」田中正義…“元ソフトバンク選手”なぜ移籍後に活躍? 成功組に“ある共通点”があった
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKYODO
posted2023/05/26 11:01
大竹耕太郎、田中正義、茶谷健太……「元ソフトバンク選手」他球団で活躍はなぜなのか?
◆立岡宗一郎(巨人)
ソフトバンク時代/4年目途中まで・1試合、打席なし
巨人移籍後/昨季まで11年間・449試合、打率.247、4本塁打、54打点、41盗塁
08年ドラフト2位で熊本・鎮西高校からソフトバンクに入団。"秋山幸二2世"との呼び声も一軍機会はほとんどなかった。4年目のシーズン途中にトレードで巨人に移籍。ソフトバンクでは"右打ちの外野手"だったが、巨人では"左打ちの内野手"としてチャンスをつかんだ時期も。15年に91試合出場、打率.304、14打点、16盗塁。その後はまた外野に専念。昨年6月9日の西武戦(ベルーナドーム)での右翼守備で、右中間への打球を追った際に左膝前十字じん帯損傷の大けがを負い、現在は育成契約から復活を目指している。
二軍暮らしも“選手が腐らない”理由
彼らのソフトバンク時代も取材してきたが、共通して言えるのはファームの苦しい時期でもひたむきに前を向き続けたこと。
プロ野球選手だって感情を持った人間だ。不貞腐れることも少なからずある。
それでもソフトバンクでは、毎年のようにこんな声かけをよく耳にする。
「誰かが見てるからな」
ソフトバンクのファームは人材の宝庫だと球界関係者のあいだで以前から言われており、実際に各球団の編成担当者を筑後のファーム施設ではよく見かける。
もちろんコーチや球団関係者らはソフトバンクでの活躍を一番に願うが、選手の人生に寄り添うことを決して忘れない。今、陽の目を見ている彼らは、その一言に救われた選手たちなのだ。
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