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「阪神で覚醒」大竹耕太郎、「移籍後の号泣」田中正義…“元ソフトバンク選手”なぜ移籍後に活躍? 成功組に“ある共通点”があった
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKYODO
posted2023/05/26 11:01
大竹耕太郎、田中正義、茶谷健太……「元ソフトバンク選手」他球団で活躍はなぜなのか?
しかし、潜在能力だけですぐ通用するほどプロは甘くない。3年間で一軍出場1試合のみに終わると、球団から戦力外通告を受けて育成選手での再契約を打診された。
茶谷は熟考の末に退団を決意。結局、移籍したロッテでも当初は育成契約だったものの19年末に支配下契約を勝ちとり、それからも地道なアピールを重ねて現在に至る。
5月24日時点の成績では、28試合出場、打率.343、6打点。5月は月間打率.400をマークしている。
上記の3選手に限らず、ソフトバンクではなかなか芽が出なかったものの他球団に移籍して開花した例はいくつもあった(成績はいずれも5月25日時点)。
「元ソフトバンク選手」の活躍は他にも…
◆加治屋蓮(阪神)
ソフトバンク時代/7年間・112試合7勝4敗37ホールド
阪神移籍後/昨季まで2年間・46試合1勝4敗8ホールド
ソフトバンクには13年ドラフト1位でJR九州から入団。18年に72試合登板で31ホールドを挙げたが、同年以外は苦しみ20年オフに戦力外通告を受けて阪神へ移籍した。今季は17試合0勝0敗4ホールド、防御率0.00と快投している。
◆小澤怜史(ヤクルト)
ソフトバンク時代/5年間・2試合0勝0敗
ヤクルト移籍後/昨季まで2年間・10試合2勝1敗
15年ドラフト2位でソフトバンク入り。2年目に一軍登板を果たすが、4年目から育成選手に。20年オフに戦力外となり、12球団合同トライアウトを経てヤクルト(当初は育成)へ。サイドスローに転向したことで活路を見出し、22年6月に支配下登録。昨年は日本シリーズでも登板した。今季は13試合登板0勝1敗2ホールド、防御率3.48。
◆長谷川宙輝(ヤクルト)
ソフトバンク時代/3年間・一軍登板なし
ヤクルト移籍後/昨季まで3年間・48試合2勝2敗7ホールド
16年育成ドラフト2位でソフトバンク入り。育成選手のまま3年間を終え、規約で自由契約となったタイミングでヤクルトが支配下で獲得。150キロ超の直球を投げるパワー系左腕で20年には44試合に登板して1勝を挙げた。21年9月に血行障害の一種である「胸郭出口症候群」の手術を受けた。今季2年ぶりの一軍登板を果たしている。