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「阪神で覚醒」大竹耕太郎、「移籍後の号泣」田中正義…“元ソフトバンク選手”なぜ移籍後に活躍? 成功組に“ある共通点”があった
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKYODO
posted2023/05/26 11:01
大竹耕太郎、田中正義、茶谷健太……「元ソフトバンク選手」他球団で活躍はなぜなのか?
「肉体改造+セ・リーグ野球」の影響か
ただ、大竹自身はニーズに応える努力を常に行っていた。22年シーズン前の自主トレでは先輩の和田毅に弟子入りして肉体改造も行い、球速アップも図った。だが、スピードは一朝一夕で上がるものではない。
現役ドラフトで阪神に移りセ・リーグの野球が肌に合ったのも活躍の一因だろうし、肉体改造の成果もここにきて現れ始めたのか直球がスピードガン表示以上に力強くなっているように映る。
今季5勝目は早大の先輩でもある岡田彰布監督に通算600勝をプレゼントする白星でもあった。「うれしいし、胴上げのために頑張りたい。次回以降も全身全霊で投げます」。大竹は「アレ(=優勝)」のための欠かせぬ柱となっている。
「初セーブで号泣」田中正義(→日本ハム)
今季、活躍の場を変えて輝きを取り戻したといえば田中正義もそうだ。
近藤健介のFA移籍に伴う人的補償で日本ハムに移った右腕は、今や北の大地の守護神に定着している。
4月26日のオリックス戦(エスコンフィールド)でプロ初白星より先に初セーブを記録するとお立ち台で人目もはばからず号泣。その当日、ソフトバンクは地元福岡での試合が2時間22分と早々に終了したこともあり、ソフトバンクの選手たちは昨年までのチームメイトの活躍をロッカールームで見守っていたようだ。田中が泣いている中継画像をスマホで撮影して、祝福の言葉を添えてSNSにアップした選手も見受けられた。
「戦力外から4番」茶谷健太(→ロッテ)
こんな「元ソフトバンク」戦士の活躍もあった。
ロッテの茶谷健太が5月17日のオリックス戦(ZOZOマリン)でプロ入り8年目で初めて4番打者で出場。2安打2打点と“4番の働き”を見せて勝利に貢献し、お立ち台にも上がった。
茶谷は15年ドラフト4位でソフトバンクに入団。帝京三高(山梨)時代は本格派右腕のピッチャーだったが、高い身体能力を買われて内野手に。入団発表では「年間40本以上ホームランを打ちたい」と目標を口にし、球団は「背番号55」を与えてスラッガーとして期待を寄せた。ファンも「茶ゴジラ」などと呼んで応援した。