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「人間としてのレベルが違った」ロッテ藤原恭大は“大谷翔平と吉田正尚”から何を学んだ? 近藤健介に次ぐ打率パ2位…好調の要因とは
posted2023/04/18 11:01
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph by
Sankei Shimbun
千葉ロッテマリーンズ藤原恭大外野手は5年目のシーズンを“勝負の1年”と意気込んで迎えた。
チームは緊急事態の最中。昨季、外野のレギュラーとしてチームを牽引した荻野貴司外野手と高部瑛斗外野手の2人が怪我で離脱した。その状況下で1番打者として勝利に貢献しているのが背番号「1」だ。一日一日、1試合1試合、1打席1打席を大事にしながらガムシャラに結果を出し続けている。
開幕スタメン、打順は「9番」
スタートは“9番”だった。3月30日の開幕前日、首脳陣で藤原の打順を話し合った。当初は1番での起用が検討されたが、吉井理人監督は最終的に藤原を9番に据えた理由をこう明かす。
「他の選手の並びも考えながらどこがいいかと考えた。最終的にはコーチのアドバイスで気持ち的にも楽な部分もあるし、作戦面でも9番でいこうということになった」
金子誠戦略コーチが現役時代に9番を打つことが多かったこともあり、その役割の大事さも聞いた。9番が出塁して1番に繋ぐことで大量点が生まれる可能性もある。そして、まだ実績が少ない藤原にとって下位打線の方が重圧を抱えずにプレーができると考えた。
そうして迎えた31日の福岡ソフトバンクホークスとの開幕戦、藤原は1安打を放つと、4月2日の同カードでは2安打を記録。開幕3連敗を喫したチームの中で一人、その存在感はキラリと光った。その後も安打を重ね、8日からは怪我で離脱を余儀なくされた荻野に代わって1番に座っている。
球団記録も塗り替えたドラフト1位
華やかにプロ入りした。高校3年時、大阪桐蔭高校で甲子園春夏連覇を達成。2018年ドラフトでは3球団が競合し、ドラフト1位でロッテに入団。春季キャンプから一軍抜擢され、ルーキーイヤーの開幕戦では1番・中堅でのスタメン出場を果たした。高卒野手での開幕スタメンは球団では1965年に7番・遊撃で出場した山崎裕之以来で、54年ぶりの快挙となった。藤原はこの試合で内野安打を放ち、プロ初安打も記録。前途洋々のスタートを切った。
しかし、そこからプロの壁が立ちはだかる。その後は結果を残すことが出来ずにプロ1年目は6試合の出場に留まると、その後も21年の78試合出場が最多。毎年、輝きは放つものの、なかなか長続きしない苦しい時期が続いた。