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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「ユースの三笘薫と田中碧に“今すぐプロを倒すつもりでやれ”と言ったら」風間八宏が知る“W杯川崎勢の10代”「今は14歳が分岐点です」
posted2023/04/16 11:01
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
カタールW杯に出場した日本代表において、最大派閥となったのは川崎フロンターレ勢だった。
過去にトップチームに在籍した選手も含めると、川島永嗣、谷口彰悟、山根視来、守田英正、板倉滉、三笘薫、田中碧の7人がメンバー入りした(大学時代に特別指定選手として在籍したシュミット・ダニエルを含めれば8人)。
この流れをつくった最大の功労者は、2012年4月から2017年元日まで監督を務めた風間八宏だろう。
なぜ風間の薫陶を受けた選手たちが飛躍しているのか
谷口、板倉、三笘、田中は風間から直接指導を受けており、守田がフロンターレに入団したときにすでに風間はいなかったが、受け継がれていた「風間流メニュー」で「止める・蹴る」を磨いた。
守田は著書「『ずる賢さ』という技術」(幻冬舎)で「フロンターレで毎日のように『止める・蹴る』に取り組んだことで、頭に描く通りに止められるようになりました」と振り返っている。
現在、風間はセレッソ大阪アカデミーで技術委員長を務めており、トップ昇格した北野颯太がU-20日本代表で10番を背負い、同じくトップ昇格した石渡ネルソンとセレッソユース所属の清水大翔が3月のU-18日本代表の練習試合でダブルボランチを組んだ。
2026年W杯で今度はセレッソ勢が最大派閥となっていても不思議ではない。
なぜ風間の薫陶を受けた選手たちが、これほど多く飛躍しているのだろう? 指導者を育てる「風間塾セレッソ大阪指導者養成所」の開校に合わせて、風間に話を聞いた。
――カタールW杯では、風間さんが関わったフロンターレ勢が活躍しましたね。フロンターレで追求した技術が、こういう結果につながると予想していましたか?
「サッカーがうまくなるのは当然だとは思っていましたが、自分が代表に貢献したとは思ってないですよ。ただ先日、長らくフロンターレのGMを務めていた庄子春男さんから電話があって『ありがとうな』と言われました」
滉はボランチでの経験がCBとしての余裕につながっている
――風間さんは4年目にユースにいた板倉滉選手と三好康児選手を同時にトップ昇格させました。何が決め手だったのでしょうか?
「当時のフロンターレの下部組織は、地域の他クラブに比べてそれほど人気がなかったんですね。そこで庄子さんと話して『育成枠』をつくってユースから上げようとなった。庄子さんから『八宏、何人まで大丈夫だ?』と聞かれたので、『3人までなら大丈夫』と答えました。
滉はヘディングが強く、三好はスピードがあり、プロで通用する武器があった。特徴がある選手は大学に行くと尖った部分が削られてしまう可能性があるので、トップに昇格させることにしました。