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JリーグPRESSBACK NUMBER
「現役にしがみつきたい」“クビを経験した男”小野瀬康介29歳の新境地…“カズさんの姿勢”に学んだ「好きなことを仕事にする喜び」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph bySHONAN BELLMARE
posted2023/04/20 11:15
2月18日の開幕節で湘南ベルマーレ移籍後ゴールを決めた小野瀬康介。今季すでに2得点1アシストと、爆発の予感を漂わせている
日本代表への思いも「自分は土俵にも立てていない」
──最後にもうひとつ、聞かせてください。小野瀬選手のなかで、日本代表入りを狙う気持ちはどれぐらい大きなものでしょうか? 遠藤航選手や伊東純也選手のように、同じ93年生まれで選出されている選手がいます。年齢的にも次のW杯を狙えると思います。
「こういう取材で話したことはないんですが、まずはクラブで結果を残すというのが自分の考えです。1カ月とか2カ月ぐらい活躍した程度で、呼ばれてはいけない。それぐらい価値のある、重みのある場所だと思っています。ベルマーレからはマチ(町野修斗)が呼ばれていますが、やはりクラブで結果を残しているかどうかが問われるのでしょう」
──前所属のガンバには、代表経験者が多く在籍していました。
「身近に代表選手がたくさんいることは、刺激になっていました。自分もいつかは……と思い続けてここまで来ているんですけど、ホントにJリーグで結果を残してから話をしたいんです。自分はまだ、選ばれるかどうかの土俵にも立てていないので」
──代表に選ばれることの重みを理解しているだけに、話すことにも慎重にならなければいけない、ということなのですね。
「はい、そうです。いまは代表を応援する立場です」
◆◆◆
ベルマーレが「勝ち点50以上で5位以内」の目標を達成するためには、3-1-4-2のポジションでインサイドハーフを担う小野瀬の活躍が欠かせない。日本代表FW町野修斗へのマークが厳しさを増すことを考えても、この29歳にはゴールに直結した仕事が求められていく。
所属クラブが勝ち点を重ねていけば、個人にもスポットライトが当たることになる。ベルマーレと小野瀬の今シーズンは、Jリーグの楽しみのひとつになっていくだろう。
<前編から続く>
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