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「11月6日でした。いまでも覚えています」衝撃的だった“契約満了のお知らせ”…湘南MF小野瀬康介が“事実上の戦力外”から再起するまで

posted2023/04/20 11:14

 
「11月6日でした。いまでも覚えています」衝撃的だった“契約満了のお知らせ”…湘南MF小野瀬康介が“事実上の戦力外”から再起するまで<Number Web> photograph by SHONAN BELLMARE

昨季かぎりでガンバ大阪を“契約満了”となった小野瀬康介。新天地の湘南ベルマーレで躍動するなか、率直な思いをインタビューで明かした

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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SHONAN BELLMARE

 J1リーグの序盤戦で、湘南ベルマーレが存在感を放っている。就任3シーズン目の山口智監督のもとで、クラブのアイデンティティでもある躍動感溢れるサッカーを展開しているのだ。8節終了時点の成績は2勝4分2敗の10位ながら、16得点は首位ヴィッセル神戸に次ぐJ1リーグ2位である。

 大幅な入れ替わりのなかったチームで、貴重な新戦力となっているのが小野瀬康介だ。18年途中から22年までガンバ大阪で主力を務めてきた29歳が、オフに事実上の戦力外通告となる契約満了を言い渡されたのは大きな驚きをもたらしたものだった。キャリアの円熟期に新天地を求めることになった心境から、充実の時間を過ごす現在の胸中を、ストレートに明かしてくれた(全2回の1回目/後編へ)。

「唯一の友だちが智さんでした(笑)」

──開幕戦からスタメンに名を連ね、5節までフル出場を続けてきました。6節も終盤までプレーしました。チームにスムーズにフィットしていますね。

「開幕までは失敗をしながら修正をして、というのを繰り返していました。チームのみんながやっていることに何とか追いつけたというか、ベルマーレのやり方を理解していったかな、と思います」

──山口智監督は、ガンバ大阪所属当時のコーチです。

「智さんはもちろん知っていましたけど、ベルマーレのサッカーはこちらに来てから学んでいきました。できるだけ早く馴染みたかったので色々と聞きましたし、智さんや分析の白石(通史)さんに映像を使ってもらいながら、『ここはこうだよ』と指摘してもらったりしました。そうやって練習試合から、自分のなかで成功体験をつかんでいきました」

──横浜FCからレノファ山口、レノファからガンバ、そしてガンバからベルマーレと、自身3度目の移籍です。チームを変えることはものすごくパワーを使う、と聞きますが。

「そうですね、最初はパワーを注ぎましたし、気も遣ったような気がします(苦笑)。新しい人間関係を築くのは、やっぱりすごくパワーを使いますね」

──小野瀬選手と同じく新加入選手の山下敬大選手とは、レノファでチームメイトでした。以前からの顔馴染みは彼のほかにも?

「敬大と阿部ちゃん(阿部浩之)のふたりかな……。あとは対戦したことはあるけれどほぼ接点はない、という選手ばかりでした。最初から知っていたのはそのふたりと、智さんですね」

──監督を知っているのは大きいですね。

「唯一の友だちが智さんでした(笑)」

【次ページ】 山口智監督は「全然絡んで大丈夫な人」

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