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「現役にしがみつきたい」“クビを経験した男”小野瀬康介29歳の新境地…“カズさんの姿勢”に学んだ「好きなことを仕事にする喜び」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph bySHONAN BELLMARE
posted2023/04/20 11:15
2月18日の開幕節で湘南ベルマーレ移籍後ゴールを決めた小野瀬康介。今季すでに2得点1アシストと、爆発の予感を漂わせている
──ということは、試合が動いた瞬間は強いメンタルで挑む、周りを鼓舞する、といったことを意識しているのでしょうか?
「そうですね、ガンバに居たときよりもそこは意識しています」
──チームが変われば役割も変わるということで、これまでとは違う小野瀬選手が見られていますね。
「僕自身も、こういう面もあるんだと気づきました。プレーの幅は確実に広がっているので、いままた成長中です(笑)」
──いままた、サッカーが面白いのでは。
「はい、面白いですね」
「環境に慣れると、どうしても甘えてしまう」
──今シーズンは8得点5アシストを目標に設定しています。J1でのキャリアハイとなっている19年の7得点4アシストを、ひとつずつ上乗せした数字ですね。
「まずはJ1で築いてきたキャリアの更新を目指す、ということです。それも決して簡単ではないと考えていて、そこを達成してから背伸びをしようかなと」
──いまのモチベーションとは?
「ひとつではないですね。智さんの期待に応えたい。見返したい。成長したい。今シーズンはいろんな要素が僕のなかにあって、それが大きくなっている。たくさんあるからいいのかな。何かひとつ大きなものがあることがいい、という選手もいると思いますが、僕は色々なものが重なっているので、それがモチベーションをより大きなものにしていると思います」
──なるほど。
「モチベーションで言うと、移籍は刺激になります。今回の場合はガンバをアウトになって、他へ行くことしかできなくて、いまのところは正解だったということにできているのかな、と。シーズンが終わったときにそう思えるようにしたくて、それもモチベーションのひとつになっています。環境を変えるのはパワーを使いますけど、自分の性格を考えると同じ場所に長くいるのは良くないな、というのもあります。環境に慣れると、どうしても甘えてしまうんです」
──良くも悪くも、居心地が良くなりますし。
「ずっと同じクラブで活躍している選手もいて、それは才能のひとつなんでしょうね。自分ができないことなのですごいな、と思います。色々なキャリアの作り方があっていいし、自分はひとつのクラブに長く居過ぎないほうがいいんだなと」