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野ボール横丁BACK NUMBER
「WBC効果、“源田愛用”ゼットの内野グラブが売れている」球児でも急増…一方で大谷翔平ニューバランスの高校野球グラブ、日本で発売予定なしの事情とは?
posted2023/04/13 17:17
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Getty Images
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「“源田愛用”ゼットの内野グラブが売れています」
――星さんが毎年、注目している甲子園におけるキャッチャーミットのメーカー占有率。また、ミズノがシェアを拡大しましたね。昨年の選抜大会は19校でしたが、この春は21校まで(出場は36校)増加しました。かつて、甲子園のミットと言えばゼットが主流でしたが、完全に逆転した印象があります。
星徹弥(以下、星) 作りのよさもありますが、ミズノの営業ががんばった、ということでしょうね。広陵といえば、もともとゼットのイメージが強いんです。今大会は、ピッチャーも内野手も、すべてゼットでした。でも、キャッチャーだけミズノだったんです。ただ、うちの店舗で言えば、キャッチャーミットは今もゼット人気がダントツです。特に巨人の小林誠司選手が使っているモデルの人気は根強い。ちなみに小林選手も広陵OBです。この春、ミズノのキャッチャーミットは、メーカー側が「ブロンド」と呼んでいるベージュ色のミットがいちばん目立っていました。なかなかカッコいい色なんですよ。うちの店でも問い合わせが増えているのですが、市場にほとんどものがない。うちもずっと欠品状態です。なので、せっかく甲子園であれだけ露出しても、ユーザーはなかなか手に入れられない状態が続いています。そこはもったいない気がしますね。
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――今大会はミットだけでなく、全チームのピッチャーと内野手のグラブメーカーも調べたんですよね。何か気づいたことはありましたか。
星 内野手でゼットを使っている選手が増えましたね。内野と言えばミズノが強く、今もシェア率はまだまだミズノがトップなのですが、ゼットがじわりじわりときている感じがします。要因は2つあると思います。1つは、ものづくりがよくなっています。紐を通すところとか、仕上げがものすごく丁寧になった。型づけなどもきちんとした状態で納品してくれる。なので、お客さんがグラブに手を入れたとき「めっちゃいいっすね!」というリアクションが増えた。ゼットには鈴木浩さんというグラブづくりの名人がいて、その方が工場長に就任してから変わってきた印象がありますね。うちの店でも最近、ゼットの内野グラブがけっこう出ているなと思っていたんです。それで調べてみたんですけど、甲子園でここまで増えているとは思いませんでしたね。ゼットの内野グラブが支持される理由の2つ目。それはWBCで男を上げた西武の源田壮亮選手を筆頭に、日本人離れした守備を見せるソフトバンクの今宮健太選手、驚異的な守備範囲を誇る巨人の吉川尚輝選手ら、守備のスペシャリストたちが使っているこだわりのグラブだというイメージが定着したせいだと思います。源田選手は、ゼット一筋ですしね。
高校球児に流行りだした“新色”グラブ
――やはり源田モデルが一番人気なのですか。