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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
日本代表のFW陣は「気を遣いながらプレーしている」…上田綺世がコロンビア戦で見せた“ゴールへの渇望”「得点を狙うのはエゴではない」
posted2023/04/01 17:04
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Takuya Kaneko/JMPA
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負傷によって代表から離脱した前田大然が不在のなかで迎えた、3月28日のコロンビア戦。1トップのポジションで先発したのは、湘南ベルマーレの23歳・町野修斗だった。
開始早々に三笘薫のヘディングシュートが決まったものの、前半のうちにコロンビアがデュランのゴールで同点に追いつく。同点で迎えた後半、町野に代わって上田綺世が投入された。強いボール保持への意識が攻撃を停滞させていた印象もあった前半だったが、後半はGKからのロングボールを上田が収めるなどバリエーションが増えた。ポストプレー、パスを引き出す動きと、上田の良さが光る展開になりつつあった。
決定的なヘディングシュートはGKにはじき出され…
しかし、61分にボレの豪快なバイシクルシュートで1-2と逆転されてしまう。
66分、守田英正の左サイドからのクロスに合わせて、上田が188センチの相手DFの上をいく高い打点のヘディングシュートを放つ。しかし、GKバルガスが左手でボールをはじき出してゴールにはならなかった。2分後のコーナーキックでも同様のヘディングシュートを見せたが、今度はバルガスにキャッチされた。
前線と中盤の息が合わない場面もあったが、縦パスを入れられず、横パスに終始していた前半と違い、上田、堂安律、久保建英、浅野拓磨が投入され、否が応でも攻撃的な展開となった。リードしている相手は自陣前に引き、ゴール前は過密状態に陥った。
1-2のまま敗れたコロンビア戦後、上田は後半の攻撃をこう振り返っている。
「より前の動きを活性化しようという監督の意図は伝わりました。拓磨くんも足がありますし、動き出しを意識して入ってきているなというのはわかった。そこで何回かかぶってしまったけれど、かぶったとしても、ボールが来たら逆に数的優位にできるとか、そういう意識でできたかなと思います。攻撃に人数をかけることはいいことだと思う。ボールを失った瞬間に、即座に奪い返して2次攻撃、3次攻撃とできた。ただ、ボックス内にボールを入れてこそ攻撃の完結だと思うし、そこはやっていかないといけないところではある」
上田にとっては、シュートこそ2本にとどまったが、存在感を示せた試合だった。身体能力の高さだけでなく、狭い局面でも冷静に周りを見る余裕を感じさせた。