猛牛のささやきBACK NUMBER
「正尚さんがMVP」「正尚がやりよった」オリックスの仲間たちが誇る吉田正尚の大活躍…先輩ラオウは「めっちゃおもろい」その理由は?
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/24 11:17
WBCではMVP級の働きを見せた吉田正尚。古巣オリックスの仲間たちも活躍を喜んでいた
その準決勝の9回裏にサヨナラ安打を放った5番・村上宗隆(ヤクルト)に話が及ぶと、「正尚の後ろ(を打つ)って結構大変なんです(苦笑)。正尚が歩かされることもあるし、常に出塁するから、常にチャンスで回ってくるんで……。まあ打てば打点もつくので、いいところもあります。村上選手も今すごい大変ですけど、最後打てたんで、僕も嬉しかったです」と不振だった村上を慮った。
杉本も、3番・吉田、4番・杉本という並びで打つ試合が多かっただけに実感がこもった。
ファンの声を代弁「1回もお立ち台がない」
そして、吉田の“あのこと”にも触れた。
「13打点もあげてるのに、1回もお立ち台に行ってない。もっと、もっと騒がれていいはずですよ。あれ(3点本塁打)がなかったらやばかった、負けてたんで。メディアはもっと正尚のすごさを、大々的に伝えて欲しいです」と力説した。
ファンの間でも、「なぜ吉田正尚はヒーローインタビューに呼ばれない」と話題になっていた。起死回生のスリーランを放った準決勝後もTVのインタビューは大谷、村上の2人だけだった。
翌日の決勝で日本が優勝を果たし、その表彰式の後にようやく、お立ち台ではないが、TVのインタビューに呼ばれた吉田は、「14年ぶりの世界一を奪還するというところを目標に、みんなと戦えて、このような結果で終わって本当にハッピーです。本当に栗山(英樹)監督を胴上げできてよかったです。ホッとしています」と優勝の興奮も落ち着いた様子で、穏やかに語った。
準決勝の同点弾などチームを救った活躍については、「ほんとたまたまだったと思いますし、運がよかったなと思います」。
そんなクールな、謙虚なインタビューの一方で、ちょっとした映像が拡散されていた。