猛牛のささやきBACK NUMBER
「正尚さんがMVP」「正尚がやりよった」オリックスの仲間たちが誇る吉田正尚の大活躍…先輩ラオウは「めっちゃおもろい」その理由は?
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/24 11:17
WBCではMVP級の働きを見せた吉田正尚。古巣オリックスの仲間たちも活躍を喜んでいた
大谷がマイク・トラウトから三振を奪って優勝を決めた瞬間、ベンチにいた選手たちは一斉に、ベンチ前の柵を乗り越えてマウンドへ駆け出したが、吉田だけが柵を乗り越え損ねてゴロンと一回転。
打席での頼もしさとは対照的な愛嬌たっぷりな姿だが、吉田をよく知るオリックスの選手はみな、「正尚らしい」と驚かない。
杉本は、「見ました見ました。めっちゃおもろい。そういうやつです」と笑った。
佐野も、「マサさんぽいですね」と微笑んだ。
「いつもすごい活躍をして、野球に対してはあれだけいろんなことをきっちりとストイックにやっているんですけど、『あ、マサさんこういうところもあるんだ』みたいな一面もあるんです。なんかちょっと抜けているというか、おっちょこちょいなところが……あ、こんなこと言ったら怒られますけど(苦笑)。僕らから見ても、かわいいな、というところがありますね」
「トラウトからサインもらった」
WBC決勝の日、杉本のもとに吉田から、「マイク・トラウトにサインもらった」とサインボールの写真が送られてきたという。
「うらやましかったです。俺のももらっといてって返したんですけど、無視されました」と杉本は苦笑する。
WBCの頼れる打点王は、試合を離れればお茶目で、いつまでも野球少年のような無垢な一面も持っている。
子供の頃からの夢だったWBCでの“世界一”を実現し、次はもう一つの夢、メジャーリーグでの“世界一”へ。
3月30日に開幕するメジャーでも、「さすが」と唸らせ、そして、たまにクスッと笑わせてくれることだろう。
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