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「中村航輔も旗手怜央も古橋亨梧もいない…」森保ジャパンの選手選考に“納得感”はあるか?「総合的な判断」「リーグのレベル」発言を検証
posted2023/03/16 17:02
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
JIJI PRESS
選手選考とは、監督の専権事項である。選んだ選手で結果を残すことができれば、批判を受けることはない。
そのうえで言えば、選手選考には「分かりやすさ」が求められる。「納得感」に言い換えてもいい。選ばれなかった選手が、「それならしょうがない」と思える「芯」のようなものが、しっかりと通っているべきなのだ。それがあれば、招集外となった選手も「次こそは選ばれるぞ」と、奮起することができる。
中村航輔はいまこそ呼ぶべきタイミングだった
3月15日に発表された日本代表のメンバーは、カタールW杯からの変化を感じさせるものとなった。W杯に3大会以上出場してきたGK川島永嗣、CB吉田麻也、左SB長友佑都、右SB酒井宏樹が外れた。
20世紀に比べてサッカー選手の寿命が、それもトップレベルでプレーできる寿命が延びているものの、2026年のW杯を見据えると世代交代は必要だ。GK、CB、右SBについては、後継者を見つけるのが難しくない。左SBはCBからのコンバートなども視野に入るが、だからこそ長友以外の選手を使っていくべきである。
森保監督の就任とともに代表に定着してきたMF南野拓実も、今回はメンバー外となっている。1月に28歳になった彼は、26年のW杯を狙える。問題は所属クラブでの出場機会だ。カタールW杯後のリーグ戦では、ベンチ入りしたものの出場のない試合が多い。得点とアシストからも遠ざかっている。選考外は納得できるものだ。
所属クラブで結果を残しているにも関わらず、招集されなかった選手もいる。GK中村航輔、MF旗手怜央、FW古橋亨梧らだ。率直に言って驚きの選考外である。
GKはカタールW杯代表のシュミット・ダニエル、カタールW杯アジア最終予選に招集されていた谷晃生、それに谷と同じ東京五輪世代の大迫敬介が選ばれている。3人ともに所属クラブでプレータイムを刻んでおり、このグループに不足はない。
ただ、昨年9月にポルティモネンセでポジションをつかみ、連続出場を続けている28歳の中村は、招集されていい選手だろう。W杯後のリスタートとなるいまこそ、呼ぶべきタイミングだった。