ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
「モリヤスは問題を理解していた」W杯組み合わせ決定直前…元日本代表監督トルシエが称えた森保采配とは「ただ…4バックの利点は見いだせない」
posted2025/12/21 11:02
森保一監督が試合途中に見せる修正力について、トルシエは高く評価する
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Kiichi Matsumoto
元日本代表監督フィリップ・トルシエに、2025年最後になるだろうインタビューを行ったのは、国立競技場で日本が3-0でボリビアに快勝した翌日だった。この試合を、トルシエはスタジアムで直接観戦していた。
トルシエはボリビア戦、9月のアメリカ遠征からはじまった一連の強化試合を、どう総括するのか。グループステージ対戦国がオランダ、チュニジア、欧州プレーオフB勝者(ウクライナ、ポーランド、アルバニア、スウェーデン)に決まったW杯に向けての日本の準備は、順当に進んでいるといえるのか。トルシエに聞いたすべての話を、全3回に分けてお届けする。まずはその第1回から。
テストした4バック…硬直していた
――昨日のボリビア戦は国立競技場でご覧になったそうですね。
ADVERTISEMENT
「ああ、それで森保一監督は、昨日の試合をどう言っていたのか?」
――試合結果と内容に、それなりに満足しているようでした。
「私の考えを話そう。分析は主に戦術的なもの、そこで問題になるのはチームの組織であり、機能の仕方だ。前半の日本は、4人のDFを並べる4-2-3-1システムを採用した。日本がボールを持つと、簡単に4-2-4へと変わる形だ」
――スターティングリストでは3-4-3でしたが、実際は違ったと?
「リスト上はそうだろう。だが、森保監督が実際に試したのは、菅原由勢と瀬古歩夢をサイドバックに置いた4-2-3-1であり4-2-4だった。以前に4バックをテストしたときは評判が良くなかったから、今回はあえて公言しなかったのではないかと見ている」
――実質的には4バックのテストだった、と。その4バックは機能していましたか?

