「自分、ハムでは抑えだったんですけど、打たれたとしても『次にちゃんと抑えてくれればいいから。明日も試合があるんだから、そこに向けて調整してくれ』とか、いつも前向きな言葉をかけてくださってました。打たれたり、ミスした後にきつい言葉をかけられるとシュンとなっちゃうだけじゃないですか。栗山監督はそういう選手の気持ちをすごく汲んでくださるんで、WBCみたいな短期決戦ではなおさらいいんじゃないですかね」

栗山英樹監督　©Hideki Sugiyama

――モチベーターといった感じですか？

「そういった部分もあるんじゃないですかね。普通に誰とでも会話してくれる人なんで。自分は『アキ』って呼ばれていたんですけど、栗山監督って基本的に選手を下の名前で呼ぶし、フレンドリーに接してくれるんで、選手はすごく溶け込みやすいと思います」

先発から30球くらいで回す総力戦でいい

――今回のメンバーは投手陣もさることながら、野手も史上最年少で三冠王となった村上宗隆選手にレッドソックスの吉田正尚選手、カージナルスのラーズ・ヌートバー選手とメジャーリーガーも参戦し、「歴代最強」とも呼ばれています。前回、準決勝敗退と悔しい経験をされた立場として、日本が第2回大会以来の覇権奪還を果たすためには何が必要でしょうか。

「チームとしてはすごく強いと思います。なので、自分としてはやっぱり、一発勝負のトーナメントになってからどれだけ戦力をつぎ込めるかがカギだと思うんですよ。準々決勝……特に準決勝に進めばアメリカ、ドミニカ共和国といった優勝候補と対戦する確率が高くなるわけじゃないですか。ピッチャーだけで言えば、それこそ先発から30球、40球くらいでどんどん回す総力戦でいいと思うんです。今回は一戦必勝で戦えるだけのメンバーが揃っているんで、ぜひとも自分たちができなかった世界一になってもらいたいですね」

©Genki Taguch