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野球クロスロードBACK NUMBER
WBC「じつは無敵だった」秋吉亮が語る“失点が絶対NG場面”の重要人物「前回で言えば千賀」「30球くらいで回す総力戦でいい」
posted2023/03/09 17:01
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
Nanae Suzuki
これまで4回開催されてきたWBC。過去の代表選手たちが語る「王座奪還への提言」とは? 秋吉亮(千葉県民球団)に聞いた。(全2回の#2/#1へ)
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――今回のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、メンバー30人のうち半数の15人がピッチャーです。球数制限のある大会だけに、毎回、投手力がカギと言われていますが、妥当な選出でしょうか。
「一通り見ただけでもバケモノしかいないですよね(笑)。ダルビッシュ(有)さんと大谷(翔平)君はもちろんですけど、山本由伸君、佐々木朗希君……みんな150キロ以上出せますもんね。ただ、個人的に気になるのは、先発がほとんどじゃないですか」
――15人のうち所属チームで先発のピッチャーは10人です。とはいえ、過去4大会を振り返ると、第1回は15人中8人、第2回は13人中10人、第3回は13人中9人、第4回は13人中5人と、今回だけ特別多いわけでないことが分かります。
「今回、右ピッチャー多くないですか」
――今永昇太選手、松井裕樹選手、高橋奎二選手、宮城大弥選手以外は右ですね。
「このメンツだと、本職の救援ピッチャーは松井君しかいないってことですよね」
変則ピッチャーがいない問題
――代表メンバー発表の記者会見でも、そんな趣旨の質問がありました。栗山英樹監督は理由のひとつに、今大会で導入される「ワンポイント禁止」を挙げていました。「登板したピッチャーは3人以上に投げなくてはいけない」といったルールです。
「でも、イニングの途中から登板することもあるわけじゃないですか。そうなると、ピッチャーとしては中継ぎのような感覚になると思うんですよね。だから、ワンポイントができないとしても変則ピッチャーを少しは入れてもよかったんじゃないかな、と」
――おっしゃる通り、過去には秋吉さんをはじめ、渡辺俊介選手、牧田和久選手、宮西尚生選手などサイドスローやアンダースローのピッチャーがいいスパイスとなっていました。海外ではあまりいないタイプだけに、「国際大会では有利に働く」とも言われますし。
「前回は特に多かったですよね。自分もそうだし、牧さん(牧田)、宮さん(宮西)。中日の岡田(俊哉)君も独特な投げ方でしたし。ピッチングコーチの権藤(博)さんが変則系が好きだったかもしれないですけど(笑)。そう考えると、今回はワンポイントが禁止でも、巨人の高梨(雄平)君みたいなタイプを入れてもよかったかもしれないですね」